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Jackson Pollock。アメリカ生まれの画家(1912年~1956年)。ニューヨーク派の抽象表現主義を代表する人物で、その画法は「アクションペインティング」とも呼ばれます。
アメリカ西部の町で生まれたポロックは、美術を学ぶべく18歳でニューヨークへ上京。アート・スチューデンツ・リーグでは、当時全盛だったアメリカン・シーン派(地方主義)の画家であるトーマス・ハート・ベンソンの指導を受けています。
そんな経緯から、初めはネイティブアメリカンの芸術や地方主義の絵画、メキシコ壁画などの影響を強く受けました。しかしその後は、シュルレアリスム(超現実主義)やキュビスム(立体派)といった、ヨーロッパ系モダンアートを手掛けるようになります。
そして1947年ついに、絵画芸術に革新をもたらしました。床に広げたキャンバス一面に塗料を撒き散らしたり流したりする、独創的でダイナミックなテクニック・スタイルを編み出したのです。これが後に「アクションペインティング」と呼ばれるようになります。
ポロックのアクションは、その奇抜さから多くの人々の興味を引き、注目を集めました。一方で、アルコール依存だったこともあってか、「酒のみの幻覚症状が生んだ作品」「混沌そのもの」といった批評を受けることも。しかしこういった声にポロックは、「自分は絵の具の流れを操っている、そこに偶然はない」ときっぱり反論しています。
そんな彼の作品は、「カラーフィールド・ペインティング」をはじめ、後続の絵画に多大な影響を与えました。「ハプニング」など、絵画や彫刻といった従来の枠を凌駕する新ジャンルの芸術を生むことにもなります。こうした彼の活躍は、パリからニューヨークへとモダンアートの中心が移りゆくきっかけにもなりました。「アメリカ現代美術の開拓者」といった呼び方をされるのもこれが理由です。
そして44歳という若さで飲酒運転による事故死を遂げた後も、ニューヨークなどで幾度にわたり回顧展が開かれています。
引用元:アートペディア https://www.artpedia.asia/jackson-pollock-number-17a/
ドリップ・ペインティングのワンシーン。これをすべて計算している…というのを「素晴らしい!」と思うか 「本当~?」と思うかは、人それぞれかもしれません。(実際、彼が登場した際は賛否の的だったので)
引用元:足立区綾瀬美術館 ANNEX http://suesue201.blog64.fc2.com/blog-entry-168.html
千葉のDIC川村記念美術館にある作品です。DIC川村記念美術館は、マーク・ロスコのページでも紹介した、ロスコ7作品が一挙に楽しめる「ロスコ・ルーム」がある美術館です。
引用元:Musey https://www.musey.net/3969
ニューヨーク近代美術館に展示されていたものを、デヴィッド・ゲフィン(「ナンバー17A」も所蔵していた人!)が購入し、サザビーズの仲介によってデヴィッド・マルチネスが購入しました。
2017年には車庫で発見されたポロック作品が16億にもなるというニュースがCNNで流れました。痛みが激しく、修復のために5万ドルの経費がかかると言われましたが、それでも十分元がとれますね。
ポロックに魅了された人は、アートを愛する人、投資家たちだけではありません。その生涯は映画化もされました。(下記参照)
くわえタバコで床に置いたカンパスに向かう、アルコール中毒…「画になるアーティスト」でもあったポロックの映画です。
名優エド・ハリスが監督・主演・製作・脚本を務め、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。
日本のブランドsacaiが、「ジャクソン ポロック スタジオ(Jackson Pollock Studio)」とコラボした服。(2019年秋冬コレクション)。パーカーやデニムジャケットなどもあり、"着られるポロック"を楽しむのもいいですね。
床の上のほうが気持ちが落ち着く。絵にもっと近く、もっと一体化できる気がする。この方法だと絵の周りを歩き回れて、四方向から描けるし文字通り絵の中にいる事ができるから。
On the floor I am more at ease. I feel nearer, more a part of the painting, since this way I can walk around it, work from the four sides and literally be in the painting.
優れた画家は、誰もみな自分自身を描く。
EVERY GOOD PAINTERPAINTS WHAT HE IS.
ジャクソン-ポロック(1912~1956)(米)、初期はピカソに傾倒したが、鉱脈が堀尽くされていることを悟り、身体性を生かして無意識と狂気の世界に突入して行った。
— ローズキャット (@Kichiji1414) February 11, 2020
新しい世界を切り開いたが、あまりにもハードな為、長くは生きられなかった⁉️#ポロック #アメリカ現代抽象#ピカソ pic.twitter.com/zS3Tddf338
(画家のハンス・ホフマンから自然をよく見て描けば、もっとよい絵が描ける、とアドバイスされた際に) 「私が自然だ!」【ジャクソン・ポロック】 pic.twitter.com/Xs6Qxhc6
— 美術家の言葉bot (@artwordsbot) February 17, 2020
今では当たり前のようになっているペンキをたらしたり、跳ねさせたりする技法は、彼が始祖。無作為にやっているように見えて、きちんと絵画の黄金律を計算しているという研究結果もあるほどです。
現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。
絵具缶から絵具を直接滴らせる「ドリップ・ペインティング」シリーズのなかでも初期の作品にあたります。
発表当時はそれほど評価されていたわけではなく、むしろ賛否両論。クレメント・グリーンバーグという批評家の存在によって、メインストリームへと押し上げられていきました。
この作品は2016年にイーグルスなどを発掘したレコード会社経営者・デヴィッド・ゲフィンからケネス・グリフォンがなんと個人間取引で購入しています。
ちなみに価格だけで見ると、ポロックの作品は2006年に当時最高額である1億6,400万ドルで取引されているので、10年で20%(3,500万ドル)もの値上がりをしていることに!