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「光の芸術家」とも言われるジェームズ・タレル(1943年~現在)は、アメリカ合衆国の現代アーティストです。スクリーンのように切り取られた天井から見える青い空の光や、暗闇から徐々に浮かび上がる光など、光を知覚し体感できるインスタレーションを数多く制作。光への順応や錯覚によってもたらされる神秘的な体験は、世界中の人々を魅了しています。
生まれは、カルフォルニア州ロサンゼルス。ポモナ・カレッジでは知覚心理学と数学の学士号を取得。カルフォルニア大学大学院で美術史の研究をしたのち、クレアモント大学大学院で芸術修士号を取得しています。大学院卒業後は、アメリカ航空宇宙局研究所に勤務していたという異色の経歴を持つタレル。飛行機の免許も持っていて、飛行体験からも作品のインスピレーションを得ているのだとか。1960年代後半頃から光を用いた作品の制作をスタートし、以来、世界各地の美術館で個展が多数行われています。
日本でも、1995年の水戸芸術館での個展をはじめとして、1998年には世田谷美術館や埼玉県立近代美術館で巡回展が開催されました。2000年に新潟県十日町市で行われた越後妻有アートトリエンナーレでは、ジェームズ・タレルがプロデュースした宿泊可能な作品『光の館』が建てられています。このほか、タレルの作品が常設展示されている美術館として、金沢21世紀美術館(石川県)や地中美術館(香川県直島)があります。
体験者は仰向けになったまま球体の中に入り、他の感覚を遮断した状態で光や色の変化を体感するという作品です。視野が均一な光に包まれると、空間の把握が難しい「全体野」という状態になるのだとか。外から見ると、何かの実験装置みたいですね。
ちなみに、こちらの作品の体験は完全予約制なので、金沢21世紀美術館へ行く際には、チェックしてみてはいかがでしょうか。
階段の奥にブルーのスクリーンのようなものがあり、スクリーンに向かって進みながら鑑賞・体験する作品です。実は、このスクリーンには驚きの事実が隠されています。
ブルーのスクリーンに見えていたものは、なんと、奥の空間への入り口なのです!階段を上がりきるまでは平面に見えていたものが、空間への入り口に変化する驚きの瞬間は、ぜひ実際に体験してみてください。
香川県の直島にある地中美術館では、《オープン・フィールド》を含めて3つのタレル作品を観ることができます。
2000年に開催された「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のためにジェームズ・タレルが制作した《光の館》は、実際に宿泊することも可能!滞在生活の中で、タレルの作品を思う存分体験できます。泊まらなくても見学はできますが、宿泊者だけが体験できる作品もあるので、せっかくなら泊まってみたいですね。アートな旅をしたい方にもおすすめです。
●住所:〒948-0122 新潟県十日町市上野甲2891
十日町、ジェームズ・タレルの『光の館』に12人で宿泊。びっくりするぐらいの好天に恵まれ、日暮れの空の色の変化、日の出の空の色の変化、そしてLEDが作り出す魔法のような光のプログラムを堪能しました。そしてなにより、夜も朝も自炊して良い酒持ち込んでの大宴会、大人の合宿、楽しかった! pic.twitter.com/g8uG5jIxWo
— 在華坊 (@zaikabou) September 10, 2017
ジェームズ・タレルの部屋が金沢21世紀美術館の中でも好きすぎるので、私が金沢に住む女子高生だったら放課後毎日ここで本を読む。 pic.twitter.com/45ovsKVBZ2
— acrylica (@acrylica_yoko) June 3, 2018
古き良きアメリカを思わせる作品が人気のジャスパー・ジョーンズ。「旗」のシリーズは日本でも人気。日本とのかかわりも深く、日本文化をモチーフにした作品もあります。
現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。
通称「タレルの部屋」と呼ばれるこの作品は、正方形に切り取られた天井から、絶えず変化する空の光や色を体感することができます。空間に配置された石のベンチに座って天井を眺めていると、天井と空が同じ平面上にあるような不思議な感覚に。
この作品、なんと、金沢21世紀美術館の無料展示エリアにあるので、何度も訪れるリピーターが多いそうです。いつでも気軽に来られて、ぼんやりと空を眺めながら、タレルの光の世界を体験できるなんて、とても贅沢な気がしますね。