【世界一ゆるい】現代アートの歩き方 » 現代美術を楽しむうえで知っておきたいアーティスト » 白髪一雄

白髪一雄

白髪一雄
引用元:Casa https://casabrutus.com/art/128366

白髪一雄はどんな人?

天井から吊り下げたロープにつかまり、足を使って裸足で作品を描く「フット・ペインティング」で知られる白髪一雄。ハワード・シュルツ氏(スターバックスコーポレーションの会長兼社長兼最高経営責任者)の専用オフィスルームに飾られている「臙脂」、千葉市美術館蔵の「陽華公主」、兵庫県立美術館蔵の「作品Ⅰ」、くしくも盗難被害で有名になった「作品B」など、数々の名作を残してきた現代美術の巨匠として知られています。

1924年(大正13年)、兵庫県尼崎市に生まれた白髪。幼い頃から描画をよく好み、時間があればいつも絵を描いているような少年だったと言われています。

兵庫県立尼崎中学校(現・県立尼崎高校)時代に絵画部で活動したことをきっかけに、卒業後は京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に進学。日本画を専攻し、本格的に絵画を学び始めました。

1952年(昭和27年)には、村上三郎や金山明らと「O会」を結成。3年後の1955年(昭和30年)には、吉原治良が率いる前衛芸術団体「具体美術会」に参加しました。

大学卒業後には洋画に転じ、人物画や風景画などの数々の作品を描いていたものの、ある時期から独自の「フット・ペインティング」なる手法を開発。天井から吊り下げたロープに両手でつかまり、足を使って作品を描くという前衛性極まる技法でした。70代に入ってもなお、白髪は「フット・ペインティング」を続けたとされています。

2000年代には海外のアートマーケット等で「具体美術会」が注目され、中でも特に高額で落札される具体アーティストとして白髪の名が知られることに。国内のみならず、海外にも白髪の存在が有名になった時期でした。

文部大臣文化功労者表彰、兵庫県文化賞、尼崎市民芸術賞など、数々の名誉ある表彰を受賞。密教に関心を抱き、比叡山延暦寺で得度を受けた履歴もあります。

2008年(平成20年)、敗血症のため83歳にて他界。

白髪一雄の代表作

白髪一雄「天空星急先鋒」

引用元:Tokyo Opera City Art Gallery https://www.operacity.jp/ag/exh229/j/exh.php

天空星急先鋒
所蔵
兵庫県立美術館蔵
発表年
シリーズ:1962年

「具体美術会」の国際的評価が高まる中で描かれた「天空星急先鋒」。暴力性や血なまぐさなどを表現する作品のイメージに合致させるかのように、少年時代から愛読していた「水滸伝」の豪傑たちの名を作品名に付しています。

白髪一雄「群青」

引用元:Tokyo Opera City Art Gallery https://www.operacity.jp/ag/exh229/j/exh.php

群青
所蔵
尼崎市教育委員会蔵(尼崎市立尼崎高等学校)
発表年
シリーズ:1985年

比叡山延暦寺での修行を終えた後、スキージ(長いヘラ)で円相を描く作品を多く製作。しかしながら、スキージでの円相の描画は思ったように上手くいかず、改めて「フット・ペインティング」に回帰。「群青」を含め、密教と芸術を融合させた数々の名作が「フット・ペインティング」から生み出されました。

白髪一雄に関する
過去の展示inJAPAN

尼崎市総合文化センター 白髪一雄記念室

尼崎市出身でもある白髪一雄。地元では、白髪の画業を広く世に紹介することを目的に、尼崎市総合文化センター内(4F)に白髪作品の常設展示室「白髪一雄記念室」を設けています。

同センターは、尼崎市の文化発信の中核施設。その一室を白髪作品の常設展示室としていることからも、いかに白髪が地元で愛されている芸術家であるかが分かります。

同センターに収蔵している作品は、市が所蔵する白髪作品約120点に、白髪の遺族から寄贈・寄託された作品を合わせた計4,000点ほど。公開されて著名となった作品も数多くある一方で、デッサンやスケッチブック、写真、画材道具など、資料として貴重な品々も数多く収蔵されています。

展示室内の作品は年に2回の頻度で入れ替え。定期的に展示室へ足を運ぶことで、常に新たな発見があるでしょう。

また、近年は新型コロナの影響で中止されていたものの、年に1回のペースで白髪の企画展も実施。再開が期待されています。

センター内では、白髪の図録や書籍、および様々なグッズ(クリアファイル、Tシャツ、トートバッグ、ポストカードなど)も販売。常に白髪を感じられる日用品として、来館者から高い人気を集めています。

開室時間は10:00~17:00まで(火曜日を除く)。観覧料は一般200円、大学・高校生100円、中学生以下は無料です。

白髪一雄作品を所蔵している日本の美術館(一部)

日本で開催された白髪一雄作品の主な展覧会

監修者

【監修】
染谷尚人

「現代アート」はデュシャンから始まりました。いまでは当たり前になっているような手法を、最初に行い、賛否すらものともしなかった。これが「アーティスト」という存在なのでしょう。

現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。

本郷美術骨董館の
公式サイトを見る

本郷美術骨董館
店名:
本郷美術骨董館
住所:
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-17 本郷美術ビル2階(東大赤門前本店)
電話番号:
0120-518-100
営業時間:
10:00~19:00
(日曜のみ10:00~17:00)