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サッダルマ・プンダリーカ・スートラ

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作品解説

サッダルマ・プンダリーカ・スートラは、白髪一雄が1975年に制作した作品です。白髪一雄は仏教に熱心な関心を持っていた美術家でもあり、47歳のときに比叡山延暦寺に得度し、数年に渡って天台僧としての修行と儀礼を修めています。1970代に制作された白髪の作品は仏教を主題の中心としており、サッダルマ・プンダリーカ・スートラもその1つです。

ちなみにサッダルマ・プンダリーカ・スートラとは、法華経を意味するサンスクリット語です。そのほかの仏教を主題とした作品名がすべて漢語なのに対し、この作品だけがサンスクリット語をカタカナ表記にしていることから、白髪の法華経への特別な思いが伺えます。

比叡山延暦寺に得度した翌年の1972年からアクション・ペインティングに再び回帰する1980年前後までは、白髪が仏教と最も向き合った時期です。如来や菩薩、経典への思念を抽象画として表現しており、1974年の夏以降は円相(円輪)が作品の大きなモチーフとなっていきます。

サッダルマ・プンダリーカ・スートラも黒地に白い円相が大きく描かれた作品で、白蓮華をモチーフにしているものと考えられます。

作品詳細

サッダルマ・プンダリーカ・スートラを見られる美術館

2023年12月現在、サッダルマ・プンダリーカ・スートラは兵庫県立美術館に所蔵されています。兵庫県立美術館は、ほかにも多くの白髪一雄の作品を所蔵している美術館です。所蔵作品を順次展示するコレクション展も年に数回開催されているため、サッダルマ・プンダリーカ・スートラを鑑賞したいという方は展示会の情報をこまめに確認しておくことをおすすめします。

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