【世界一ゆるい】現代アートの歩き方 » 現代美術を楽しむうえで知っておきたいアーティスト » 草間彌生

草間彌生

草間彌生
引用元:FASHIONSNAP.COM https://www.fashionsnap.com/article/2017-02-21/kusama2017-start/

草間彌生は
どんな人?

日本を代表する芸術家(1929年~現在)。世界でも評価が高く、「前衛の女王」とも呼ばれています。トレードマークとなっているカボチャや水玉模様の作品は、誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

生まれは長野県松本市。幼い頃から草花やスケッチを楽しむ少女でしたが、一方で統合失調症に悩まされていました。水玉で視界が覆われる、花に話しかけられるなどの幻聴・幻覚から逃れるため、その幻聴・幻覚を絵にするようになったとされています。

女学校を卒業後、京都の学校で日本画を学び、28歳の時に渡米します。渡米にあたり、「より良い作品を生む」という決意から、それまでの作品をすべて焼き捨てたという驚きのエピソードも有名です。

渡米後は、明日の食べ物も買えないような困窮した生活が続きましたが、それでも諦めずに絵を描き続けた草間彌生。絵画や立体作品だけでなく、「ハプニング」と称した過激なパフォーマンスを行うなど表現の幅を広げ、次第に注目を浴びるようになります。「ハプニング」は、全裸の男女に水玉模様を描いてヌードデモを行ったり、セックスや乱交をテーマに過激なパフォーマンスを披露したりと非常に過激だったため、多くの議論を呼びました。しかしそこには、金儲け第一の資本主義や性差の否定、ベトナム戦争反対などの強いメッセージが込められていたのです。バッシングにも負けず自分の表現を貫き通し、徐々に人々の心に受け入れられていった彼女は、1960年代になると「前衛の女王」とまで呼ばれるようになります。

草間彌生のパフォーマンスアート
引用元:CATCH A SITE http://catch-a-wave.com/catch-a-blog/kusama-yayoi/

しかし、パートナーであるジョゼフ・コーネルが死去すると、精神的な不調が続きます。1973年に帰国し、入院しながら文学作品などをも生み出していく草間。

1980年代以降、水玉などのモチーフを再解釈し、私達になじみが深い草間作品が形作られていきます。御年90歳の現在も精力的に活動しています。

草間彌生の経歴

  • 1929年:長野県松本市生まれ
  • 1949年:京都市美術工芸学校卒業
  • 1952年:地元の松本市公民館(旧:松本市公会堂)で2度の個展
  • 1954年:翌年にかけ、東京で4度の個展
  • 1957年:渡米。1975年の帰国まで活動の拠点をニューヨークを移す
  • 1975年:体調を崩し帰国
  • 1978年:処女小説「マンハッタン自殺未遂常習犯」を発表
  • 1983年:小説「クリストファー男娼窟」で第10回野生時代新人賞を受賞
  • 1986年:フランスのカレー市美術館、ドール美術館にて個展
  • 1989年:ニューヨーク国際芸術センター、イギリスオックスフォード美術館にて個展
  • 1993年:第45回ベニスビエンナーレに参加
  • 2000年:第50回芸術選奨文部大臣賞、法務大臣賞を受賞
  • 2001年:朝日賞(朝日新聞文化財団)受賞
  • 2002年:松本市美術館開館記念個展、紺綬褒章授賞
  • 2003年:リヨン・ビエンナーレに参加。フランス芸術文化勲章オフィシェ受勲、長野県知事表彰(芸術文化功労)受賞
  • 2004年:日本初の大規模個展「クサマトリックス(森美術館)」開催
  • 2006年:ライフタイム アチーブメント賞(芸術部門)、旭日小綬賞、高松宮殿下記念世界文化賞(第18回)絵画部門を受賞
  • 2007年:ドキュメンタリー映画第5弾「草間彌生 わたし大好き」公開
  • 2009年:文化功労者に選出される
  • 2014年:安吾賞を受賞
  • 2016年:文化勲章受章
  • 2017年:「草間彌生美術館」が開館、名誉都民号を贈呈される

草間彌生の代表作

言わずと知れたおなじみの作品

草間彌生「かぼちゃ」"

引用元:CATCH A SITE http://catch-a-wave.com/catch-a-blog/kusama-yayoi

かぼちゃ

草間彌生をお題にクイズを作ったら、水玉かかぼちゃがあがるであろうほど、有名なモチーフ。

全国各地、色んな場所でかぼちゃオブジェを見ることができます。

いろんなところで見られるかぼちゃアート

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めっちゃいい天気! #ベネッセハウス #草間彌生かぼちゃ#草間彌生 #香川trip#直島かぼちゃ #直島アート #直島

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草間彌生のかぼちゃ😊 大好きな場所😍 #福岡市美術館 #アート #美術館巡り #美術館 #美術館好き #散歩 #大濠公園 #福岡市 #観光 #草間彌生

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#幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ #永遠の無限 #YayoiKusama #草間彌生 #草間彌生美術館 #TokyoArtBeat #TABapp

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直島かぼちゃ

瀬戸内海に浮かぶ直島で見られるかぼちゃ。

草間彌生ブレイクのきっかけ

草間彌生「無限の鏡の部屋:ファリスの平原」"

引用元:アートペディア https://www.artpedia.asia/2017/02/25/草間彌生-無限の鏡の部屋-ファリスの平原/

無限の鏡の部屋:ファリスの平原
発表年
1965

「無限の鏡の部屋―ファルスの原野」と紹介しているサイトもあります。

ガラスとかぼちゃの共存

草間彌生「ミラールーム(かぼちゃ)」

引用元:日本文教出版 https://www.nichibun-g.co.jp/data/education/k-bi-museum/k-bi-museum004/

ミラールーム(かぼちゃ)
所有
ハラ ミュージアム アーク(群馬県)
発表年
2003

草間彌生を代表する水玉、かぼちゃカラーとミラールームがひとつになった作品。

精神の均衡の危うさを思わせる

草間彌生「自殺した私」"

引用元:CATCH A SITE http://catch-a-wave.com/catch-a-blog/kusama-yayoi/

自殺した私
発表年
1977

日本に帰国し、入退院を繰り返していたころの作品です。この翌年に「マンハッタン自殺未遂常習犯」で小説家としてデビューします。83年に発表した「クリストファー男娼窟」は、第10回野性時代新人文学賞を受賞など、才能は多岐にわたっています。

草間の名をヨーロッパに知らしめる
きっかけとなった作品

草間彌生「ナルシスの庭」

引用元:CATCH A SITE http://catch-a-wave.com/catch-a-blog/kusama-yayoi/

ナルシスの庭
発表年
1966

「ナルシスの庭」は、1966年に初めてベネチアで発表された草間のインスタレーション(空間全体を作品とする芸術手法)の一つ。ゲリラ的に会場へと現れてこの作品を制作し、「あなたのナルシズムを販売します」という看板の横に立ち、通行人へミラーボールを販売しました。その全体の流れが「ナルシスの庭」という作品です。
販売行為は当局によって即座に止められましたが、この作品は芸術の商業化などに対する挑発的な批評作品としてメディアで扱われ、これをきっかけに草間の名はヨーロッパ中に知れ渡るところとなります。
近年では、2001年(横浜)と2018年(ニューヨーク)に「ナルシスの庭」が披露されています。

強い生命力と躍動感を主張する
強烈な表現力

草間彌生「黄樹」

引用元:CATCH A SITE http://catch-a-wave.com/catch-a-blog/kusama-yayoi/

黄樹
所蔵
フォーエバー現代美術館
発表年
1994(制作は1992)

1992年に制作され、1994年に長野県信濃美術館で出展された作品「黄樹」。同作品を現在所蔵しているフォーエバー現代美術館の館長が、のちに草間作品を収集するきっかけとなった作品でもあります。
描かれているものは何なのか、という発想は不要です。黄金の根と枝が無数に絡み合い、まるで魚のエサになるうごめくワームをも連想させます。強い生命力と躍動感を主張してくることだけは厳然とした事実であり、この絵の中に絡めとられる感覚を持ちながら、ただ見つめるべき作品なのかもしれません。

永遠のボートに乗り込んでどこへ行くのか

草間彌生「私の魂を乗せてゆくボート」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_28

私の魂を乗せてゆくボート
所蔵
フォーエバー現代美術館
発表年
1991(制作)

秋田から移設された「フォーエバー現代技術館」(京都・祇園)に展示されているソフトスカルプチュア作品「私の魂を乗せてゆくボート」。年季の入った木をキャンバスにして描かれた松の木と、カラフルな突起物で覆い尽くされたソフトスカルプチュアが、驚き、意外性、幽玄など、あらゆるものを内包して視界に飛び込みます。
無数の突起物は、終わりのない反復を表現しているかのようです。その永遠のボートに乗り込み、草間は一体どこへ向かうのでしょうか。単純な分析や解釈でこの作品の世界を語ることはできません。

あらゆるメッセージ性を込めた
草間の人生の集大成

草間彌生「わが永遠の魂」

引用元:CATCH A SITE http://catch-a-wave.com/catch-a-blog/kusama-yayoi/

わが永遠の魂
所蔵
作家
発表年
2009年~

「わが永遠の魂」は、草間が2009年から取り組み続けている大型の絵画シリーズです。その数500点を超えるとも言われていますが、2021年11月現在の正確な作品数は定かではありません。
一つ一つの作品には、愛や命、青春、苦悩など、様々なテーマが込められています。人生における経験を通して感じ思考し、そして得た様々なメッセージを、草間はこの「わが永遠の魂」で表現しようとしているのかもしれません。

鑑賞するほどに草間ワールドから
抜け出せなくなる魔力

草間彌生「七色の富士」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_24

「愛はとこしえ」シリーズ
所蔵
草間彌生美術館
発表年
2004~2007

2004年から3年がかりで制作された「愛はとこしえ」シリーズ。計50店の作品群で構成されていますが、うち27点が草間彌生美術館で常設展示されています。 フリーハンドで描いたドローイングを基に、シルクスクリーン技法によって版画へと仕上げた「愛はとこしえ」シリーズ。点、線、目、女性の横顔、水玉など、草間らしい細やかなパーツが無数に描かれています。鑑賞すればするほど、草間ワールドから抜け出せなくなる魔力が放たれていることを感じます。

日本伝統の浮世絵に挑戦した作品

草間彌生「七色の富士」

引用元:The Adachi Woodcut Prints. https://www.adachi-hanga.com/modern/kusama/

七色の富士
所蔵
アダチ伝統木版画技術保存財団 常設展示場
発表年
2015

日本伝統の浮世絵に挑戦する形で、草間彌生とアダチ版画研究所がコラボし、誕生した作品が「七色の富士」です。草間が油彩画「富士山」を担当し、アダチ版画研究所が彫りと摺りを担当しました。
当初は一色の「草間富士山」を作成予定だったものの、アダチ版画研究所の意見を取り入れる形で、七色の富士山を制作(赤/青/緑/桃/茶/黄/黒)。色分けして摺られた富士山に草間はいたく感動し、それぞれの色に応じた詩を即興で詠んだそうです。14,685個にも及ぶ空の水玉表現が、浮世絵の中に現れた草間らしさでしょうか。

草間の原点となった「無限の網」シリーズ

草間彌生「無限の網 イエロー」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_29

無限の網 イエロー
所蔵
ナショナル・ギャラリー
発表年
1960(制作年)

1957年に単身アメリカに渡った草間。現地で草間が最初に注目を集めるきっかけとなった作品が、このイエローを含む「無限の網」シリーズでした。 微細な網目状のストロークでキャンパス一杯に単色を重ねていく「無限の網」シリーズ。その独自性、高い芸術性は、アメリカの美術評論家たちから広く注目を集めたとされています。草間によると、網の目のは水玉の集積を反転させたもの。網の目と水玉はネガポジの関係にある、と語ります。 この「無限の網 イエロー」は、草間と親交のあった抽象画家、フランク・ステラが長らく自宅に飾っていた作品です。

男性優位という考え方の
無力化を図った作品

草間彌生「アキュミレーションNo.1」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_30

アキュミレーションNo.1
所蔵
ニューヨーク近代美術館
発表年
1962(制作年)

保守的な旧家に生まれた草間は、幼いころから「セックスは汚いもの」と教えられて育ちました。自分に浸透した性への葛藤や男根への恐怖、これを克服するべく、草間は男根をモチーフにしたソフト・スカルプチュア(柔らかい彫刻)をたくさん制作しています。 この「アキュミレーションNo.1」は、草間の男根克服への意志をユーモラスに表現した作品です。そのユーモア性を通じ、日本の家父長主義社会やニューヨークの男性優位社会の無力化を図った、と評する識者もいます。

水玉が無限に増殖する恐怖空間

草間彌生「ドッツオブセッション」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_22

ドッツオブセッション
所蔵
-
発表年
1980

展示室全体に水玉の大型バルーンを配した作品「ドッツオブセッション」。1980年代後半から草間の個展等で見られるようになり、これまで、国際交流基金ベトナム日本文化交流センターやノルウェーのSKMUソールランド・アート美術館、シンガポール、オーストラリア、インドネシアなど、世界中で広く公開されています。 水玉の大型バルーンが鏡に映り、無限に増殖を続けている様子。一歩展示室に足を踏み入れると、そこには無限の恐怖が広がっているかのようです。

草間のかぼちゃ作品の到達点

草間彌生「宇宙にとどけ、水玉かぼちゃ」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_23

宇宙にとどけ、水玉かぼちゃ
所蔵
作家蔵
発表年
2010(制作年)

高さ2mの巨大なアルミ製のかぼちゃ。メタルカラーと赤を象徴的に使いながら壁面に水玉の鏡を点在させ、もって世界が無数に増殖する様を表現しています。 ご存知の通り、かぼちゃは草間の芸術人生の屋台骨とも言える象徴的な表現対象。長きに渡って様々なかぼちゃを描き続けてきた草間でしたが、この「宇宙にとどけ、水玉かぼちゃ」は、草間のかぼちゃ作品の中では、一つの到達点と言えるでしょう。過去には、十和田市現代美術館、フォーエバー現代美術館などで公開されています。

LEDの光の反復で無限の広がりを表現

草間彌生「Infinity Mirrored Room」

引用元:This is Media https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_25

Infinity Mirrored Room
所蔵
The Broad
発表年
2017(制作年)

合わせ鏡を細やかに用いることで、オブジェや光の無限の広がりを表現したインスタレーション展示。ダウンタウンLAにあるThe Broad美術館の常設展の中では、最も人気の高い作品の一つとされています。 展示室内に足を踏み入れた瞬間、誰もが一気に引き込まれてしまうその美しさ。LEDが無限に反復しながら続いていく様子は、まさしく宇宙そのものです。展示室を出てから、もう一度、またもう一度戻りたくなるような奥深い魅力を持つ作品。

草間彌生が気になるなら
行っておきたい
草間彌生美術館

東京・新宿にある草間彌生美術館(完全予約制)は、その名の通り草間彌生の作品のみを展示する美術館です。

公式ホームページには「草間彌生美術館は、様々な教育普及プログラムを実施しています。草間作品を通じて現代美術の普及と理解を広めることを目指しています。」とあるように、ギャラリートークや講座、子どもワークショップなど、さまざまな催しを展開しています。

草間彌生美術館
引用元:草間彌生美術館 https://yayoikusamamuseum.jp/home/(2020年3月4日時点のものです)

草間彌生の作品を見られる
美術館・公共施設

十和田現代美術館(青森県)

現代アートの美術館として全国的にも知られる十和田現代美術館(青森県)。美術館の中ではなく外に、無料で作品を鑑賞できる場所がありますが、その一角に立ち並ぶのが、草間の手による8つの彫刻群です。

タイトルは「愛はとこしえ十和田でうたう」。かの有名なかぼちゃをはじめ、少女やキノコ、犬などの草間の作品群を、官庁街のメインストリートを歩きながら鑑賞できる贅沢な場所です。

なお十和田現代美術館には、草間以外にも奈良美智、オノ・ヨーコ、ロン・ミュエクなど、世界的に知られる現代美術作家の作品が数多く展示されています。現代アート好きにとって、館内はまさに「圧巻」の一言。

展示作品:「愛はとこしえ十和田でうたう」

草間彌生「愛はとこしえ十和田でうたう」
引用元:十和田現代美術館 https://towadaartcenter.com/collection/love-forever-singing-in-towada/(2021年6月1日時点のものです)

越後妻有アートトリエンナーレ(新潟県)

2000年に第1回が開催され、3年に1度のペースで開催が続いている大型芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」。例年多くの現代アート好きが来場する大規模の国際芸術祭として知られています。

エリア一帯には、これまで発表されてきた約200点もの作品が、そのまま屋外に常設展示された状態。その作品群の中に、ここでご紹介している「花咲ける妻有」(2003年)があります。同芸術祭の公式サイトに、草間本人が「私のお気に入りナンバーワン」とコメントしている作品です。

妻有の常設エリアには、イリヤ&エミリア・カバコフなど世界的なアーティストの作品も展示されています。

展示作品:「花咲ける妻有」

草間彌生「花咲ける妻有」
引用元:大地の芸術祭 https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/tsumari_in_bloom/(2021年6月1日時点のものです)

クレマチスの丘(静岡県)

古くから世界中で親しまれているガーデンプランツのクレマチス。このクレマチスをモチーフにした静岡の複合施設が「クレマチスの丘」。この複合施設内にある美術館の入口で、来館者を迎えるかのように常設されている作品が、草間の「明日咲く花」です。

敷地内では約250品種2,000株以上のクレマチスをはじめ、様々な花が咲き誇ります。四季を通じ、敷地内の花々と草間の「明日咲く花」との共演を楽しむことができるでしょう。

展示作品:「明日咲く花」

草間彌生「明日咲く花」
引用元:すぐそこ! ながいずみ http://www.gurutabi-nagaizumi.net/news/64.html(2021年6月1日時点のものです)

クレマチスの丘(長野県)

草間の生誕地でもある長野県松本市。地元が生んだ大芸術家である草間をを讃えるかのように、ご紹介している松本市美術館の入口は、草間の作品で一杯です。

建物正面に立ち並ぶカラフルな巨大彫刻は、草間の手による「幻の華」。また、建物の正面全体には、草間のモチーフでもある大小の水玉が点々と施されています(「松本から未来へ」)。

館内には、これまで草間が手掛けてきた幅広いコレクションを展示。ベンチや自販機にも水玉が彩られるなど、随所に草間ワールドを感じられる演出が見つかります。

展示作品:「幻の華」「松本から未来へ」

草間彌生「幻の華」
引用元:松本市美術館 https://matsumoto-artmuse.jp/exhibition/permanent/12555/(2021年6月1日時点のものです)

霧島アートの森(鹿児島県)

鹿児島県にある霧島アートの森。国内外の作家によるオリジナリティある作品を多く展示する美術館です。

野外の展示スペースには、草間が手掛けた「シャングリラの華」があります。不老不死の桃源郷に咲く花々をモチーフにした作品です。

中庭の展示スペースには、草間を象徴する水玉の「赤い靴」のオブジェ。アートホールの無機質な景観の中だからこそ、ひときわ強い印象を放ちます。草間にとってハイヒールは、少女の自立を象徴するアイテムです。

展示作品:「幻の華」「赤い靴」

草間彌生「幻の華」
引用元:霧島アートの森 https://open-air-museum.org/open_art_works/open_art_works-543(2021年6月1日時点のものです)
草間彌生「赤い靴」
引用元:霧島アートの森 https://open-air-museum.org/inside_art_works/inside_art_works-690(2021年6月1日時点のものです)

直島(香川県)

有名な現代アーティストの作品が多く展示されていることで知られる直島。1980年代までは瀬戸内海に浮かぶごくありふれた小島でしたが、のち直島町長と福武書店(現・ベネッセホールディングス)との出会いがきっかけとなり、島全体をアート化する活動が始まりました。

島に残された空き家を改修してアート作品に昇華させた「家プロジェクト」、島の美しい景観を壊さないようにと地中に作られた「地中美術館」などを通じ、徐々に直島がアートの島であることが日本中に認知されるようになりました。2021年現在では、草間彌生や宮島達男、安藤忠雄などの有名アーティストの作品も島内に多く展示されています。

草間彌生「かぼちゃ」
引用元:ART SETOUCHI https://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/naoshima/338.html

ハラ ミュージアム アーク(群馬県)

1979年に開館した国内でも希少だった現代美術館「原美術館」(東京都品川区)を母体に、1988年、別館となる「ハラミュージアムアーク」(群馬県渋川市)が開館。2021年4月には、両館が統合する形で「原技術館ARC」に改称されました。

美術館の広々とした敷地を活かし、館内外にたくさんの現代アート作品を展示。外にはアンディ ウォーホル、ジャン=ミシェル オトニエルなどの作品が、内には草間彌生や奈良美智、宮島達男、森村泰昌などの作品が並びます。

敷地内には、現代アートに関連する各種商品を扱ったショップ、食事やデザートを楽しめるカフェなども常設。終日楽しめる施設として、日ごろから多くの来館者で賑わっています。

草間彌生「ミラールーム(かぼちゃ)」
引用元:ハラ ミュージアム アーク https://www.haramuseum.or.jp/jp/collection/

福岡市美術館(福岡県)

福岡の観光スポットとして有名な大濠公園内にある美術館。古美術から現代アートまで、実に約16,000点もの作品を所蔵する九州屈指の美術館です。

16,000点の所蔵作品のうち10,000点以上は近現代アート作品。草間彌生の作品も33点ほど所蔵し、有名な「かぼちゃ」シリーズはもとより、「灰皿」や「ドレス」「自画像」「帽子」など、知る人ぞ知るレアな名作の数々も所蔵しています。

館内には展示物のほか、ミュージアムショップやカフェ、レストラン、キッズスペースなどを用意。大濠公園内の他の施設とあわせて、家族が終日楽しめる充実の空間です。

草間彌生「自画像」
引用元:福岡市美術館 https://www.fukuoka-art-museum.jp/archives/modern_arts/7251?title=&name=%E8%8D%89%E9%96%93&year=&genre=&collection=

クルックフィールズ(千葉県)

「人と農と食とアート」をテーマに、2019年、千葉県木更津市にオープンした総合施設。レストランやカフェ、アートスペース、太陽光エネルギー設備、宿泊施設、自然を満喫できる数々のイベントや遊びなど、ジャンルにとらわれない総合的な体験を満喫できる大型施設です。

アートスペースでは、草間彌生やファブリス・イベール、カミーユ・アンロ、アニッシュ・カプーアなどの現代アーティスト作品をメインに展示。大自然に囲まれた贅沢な環境で、著名現代アートの数々を満喫することができます。

草間彌生「新たなる空間への道標」
引用元:クルックフィールズ https://kurkkufields.jp/art/yayoi-kusama_01

草間彌生の名言

私はこの水玉一つで立ち向かってやる。これに一切を賭けて、歴史に反旗を翻すつもりでいいた。

引用元:「水玉の履歴書」(著:草間彌生/出版:集英社/発売日:2013/5/17)

発症当時は不治の病といわれていた統合失調症よって、見るものすべてに水玉や網目が浮かんでいた草間。それにただ絶望するのではなく、アートに昇華するのが強いですね。

水玉については「作品を作るとき、特に水玉模様を強制的に持ってこようと思っているわけではないのです。いつも自然に水玉模様ができるだけ」とも語っています。

引用元:BAZAAR https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-buzz/g30236370/words-to-live-by-yayoi-kusama-lift2-191231-crfb/?slide=3

私は、芸術の力、愛の力をもって、世界中に平和と愛の素晴らしさを届けたい。だから愛を込めて、一生懸命描くの。もっともっと描き続けます

2014年の回顧展に際しての発言。いまだ3日に1枚のペースで作品を生み出し続けるという草間。10歳のころから自殺を望んでいた少女が、もっともっと描き続けたいと願えるアートのパワーはすごい!とただただ感動します。

草間彌生について
現代人の声を拾ってみた

草間彌生に関するニュース

2022.06.08更新

10年の時を経て草間とルイ・ヴィトンとのコラボ作品第2弾が発表

2022年5月13日、アメリカ・カリフォルニア州で開催されたルイ・ヴィトンの「2023年プレ・スプリング(クルーズ)・コレクション」で、草間彌生とのコラボレーションによる新作バッグが発表されました。

発表されたバッグは2種類。草間作品の象徴でもある水玉模様をカラフルにあしらったタイプと、銀色の水玉を立体的に飾ったタイプです。

1854年にブランドが立ち上げられて以来、ルイ・ヴィトンは数々の巨匠アーティストとのコラボレーション作品を発表してきました。実は草間彌生とのコラボレーション作品も、今から10年前の2012年に発表されています。前回と今回の作品とを比較すれば、絵画やスカルプチュアでは感じ取れない草間内部の変化・進化が見つかるかもしれません。

第2弾となる草間とヴィトンとのコラボ作品。ローンチは2023年1月とされていますが、詳細は追って発表されるとのことです。

2022.05.27更新

「世界の終わりと環境世界」展に草間作品が登場

2022年5月13日から、渋谷区神宮前にあるジャイル・ギャラリーで「世界の終わりと環境世界」と題したアート展が開催されています。

展示作品を手掛けるアーティストは、草間彌生、荒川修作、大小島真木など計7名。核の脅威、環境破壊、地球温暖化など「世界の終わり」を思わせる現代の人間社会において、人間と自然の関係をミクロとマクロの視点から見つめ直すことが同展のテーマです。

展示される草間作品は「草間の自己消滅」(1967年)。ひまわり畑でひまわりに埋もれる草間自身を描いた作品で、その作品の背後には1960年代後半から日本で高まった反戦運動の影を感じ取ることができます。草間彌生美術館(新宿)にある「ひまわりの部屋」の原点と言える作品かもしれません。

ジャイル・ギャラリーの「世界の終わりと環境世界」は、2022年7月3日までの開催予定。入場料は無料。アクセスは東京メトロ「明治神宮前駅」から徒歩3分です。

2022.02.09更新

福井県大野市で個人所有の草間作品を公開

福井県大野市在住の男性が個人所有している美術品を、市が借り受けて展示するイベント「個人コレクション展」が開催されています。展示作品の中には草間彌生や岡本太郎など、世界的に知られる現代アーティストの作品もあることから、市内だけではなく広く話題を集めそうです。

展示される草間作品はシルクスクリーン3店。1992~1993年に制作されたもので、いずれも水玉や網模様によるかぼちゃが描かれた草間らしい作品です。また、岡本作品は「太陽の塔」のリトグラフが公開されています。

草間、岡本の他にも、ロサンゼルス現代美術館新館の建築を手掛けた磯崎新、いわゆる「もの派」をリードしたことで知られる関根伸夫、大野市にゆかりのある靉嘔ら、計17名のアーティストの作品を26点展示中。

公開期間は2022年1月29日から同年3月21日まで。公開時間は午前9時から午後5時。月曜・祝日は休館となります。
なお、大野市が行う「個人コレクション展」は今回が3回目。今後も未発掘の個人コレクションが公開されることが期待されます。

2022.01.07更新

草間弥生が映ったモノクロ写真作品が韓国で初めて一般公開

草間彌生の姿が映った白黒写真による作品「The Obliterate of Monalisa with Polka Dots」が、初めて一般公開されることになりました。公開される場所は、草間の熱烈なファンが多いことで知られる韓国です。

公開される「The Obliterate of Monalisa with Polka Dots」は、草間がニューヨークで活動中の1968年、ビル・バロン氏によって撮影されたもの。草間自身の姿だけではなく、草間が当時住んでいた家の住所が刻まれた消印など、ファンにとっては見逃せない要素が随所に見られる作品です。草間彌生記念芸術財団の所有ではなく作品が一般公開されるのは、今回が初めてのこと。

作品の所有者は、化学系中堅企業「バードリー」を経営しているウィ・スンヨン工学博士。博士は、2012年に草間とルイヴィトンがコラボして発表したコレクションを見たことをきっかけに、草間作品に魅了されたそうです。以後、日本やアメリカに在住の知人を通じ、草間に関連する様々な資料の収集を始めました。収集済み資料の数は、実に300点を超えるそうです。今後は展示やオークションなど様々な方法を通じ、収集した草間の資料を広く公開していく予定だと、博士は語っています。

2022.01.07更新

香港のオークションで単独作品としての最高落札額を更新

2021年12月1日に香港で開催されたイブニングオークションで、草間が2013年に製作した「南瓜」が6254万香港ドル(手数料込みで約9億900万円)で落札されました。コレクションではなく単独の作品としては、これまでの草間作品のオークションの中でも最高落札額となります。ちなみに、それまでの草間作品の最高落札額は、2019年にサザビー香港で落札された「無限の網(INTERMINABLE NET 4)」(1959)の約6243万香港ドル(約9億700万円)でした。

なお今回のオークションでは、彫刻作品の「南瓜」も5545万香港ドル(約8億570万円)で落札されました。草間の彫刻作品として、こちらも最高落札額を更新しました。

ちなみに、前月(2021年11月)に韓国で開催されたオークションでは、1981年発表の絵画「南瓜」が54億5000万ウォン(約5億2200万円)で落札されています。韓国国内で行われた草間作品のオークションの中では、こちらも過去最高額となるそうです。草間作品の人気は衰えるところを知りません。

2021.11.24更新

2021年に行われた韓国オークションで最高落札価格となるか?

2021年11月15日、ソウルオークションセンターは、同月23日に江南センターで開催される「冬のオークション」にて、草間彌生の一作品が54億ウォン(約5億2000万円)からのスタートで出品されることを明らかにしました。

仮に54億ウォンで落札された場合、過去に韓国内で行われた草間作品のオークションの中では最高額を記録(過去最高は36億5000万ウォン)。また、2021年に行われた韓国内での全オークションの中でも、最高額(42億ウォン/マルク・シャガール)を記録する可能性が出てきます。

出品される草間の作品は、背景を黒色ベース、対象を黄色ベースにした絵画「南瓜」。草間のシンボルテーマでもあるカボチャです。

過去、草間は多くの「南瓜」を発表してきましたが、それら一連の作品群の中でも、今回の「南瓜」は最大級のサイズのもの(50号)。なお「南瓜」が本格的に連作されるようになった時期は1980年代ですが、今回出品される「南瓜」は1981年の作品。1980年代作の「南瓜」が韓国内で取引されたことは、過去にありません。

今回のオークションに出品される作品は合計127点。全作品を合わせて110億ウォン規模となりますが、うち約半分が草間の「南瓜」一作品で占めることになります。

2021.08.18更新

草間彌生の作品と関連資料の落札額がオークションレコードを更新

落札された作品は「無限の網」シリーズ2点とその関連資料のNFT。落札額は1億500万人民元。日本円にして、実に約17億8000万円です。

当企画は、「上海嘉禾」とNFTマーケットプレイス「CryptoArt.Ai」とが共同で開催したもの。「無限の網」(1959,c1979)の2点、および流通文書2作、展覧会資料、証明書、出版カタログなどの関連資料のNFTが出品され、3800人民元(約6億4500万円)からスタートしました。

参考までに、草間彌生のこれまでのオークションレコードは6240万香港ドル(約8億8100万円)。2019年にサザビーズ香港で落札された「無限の網 #4」でした。草間のシングルロットとしてのオークションレコードが、今回、また更新された形です。

なお、草間彌生の作品は、その全てが公に公開されているわけではありません。このサイトに立ち寄った方の中にも、もしかすると草間の作品を個人所有している方がいるのではないでしょうか?

草間の作品については、今回のように驚愕の価格で落札されることが珍しくありません。もし個人所有しているならば、一度、専門機関で鑑定相談してもらってはいかがでしょうか?

監修者

【監修】
染谷尚人

2017年には、世界で最も売れた女性アーティストとして6560万ドル(約71億8000万円)を売り上げるなど、世界的な人気を誇るアーティストです。その作品価値はここ10年で50倍にも跳ね上がっています。

現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。

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