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ジャクソン・ポロックの「Autumn Rhythm(Number 30)」。
1940年代後半~1950年代にかけてアメリカ、とりわけニューヨークをメインに盛り上がった芸術様式です。1946年、ロバート・コーツ(美術批評家)が命名をしました。
作品の多くは、大きなキャンバスが使われ、具体的なモチーフはないのが一般的です。物質的かつ目立つように絵の具が使われることが多いため、感情的な表現に見えるのも特徴といえるでしょう。当時のアメリカ文化・社会を反映している要素もあったと言われており、抑圧された保守的文化の中だからこそ生まれた感情的表現だったのかもしれません。
ちなみに、アメリカ発の芸術運動というのは、この抽象表現主義が初めてでした。そういった意味でも、美術史上で重要な位置づけをされているといえます。
最も代表的な美術家の一人としては、ジャクソン・ポロックが挙げられます。彼は、大きなキャンバスを床に広げ、筆を使うことなく棒などから絵の具を滴らせたり飛ばしたりする、「アクションペインティング」という手法で作品を送り出しました。
また、自由に筆などを動かして偶然生まれる筆致を活かした作品づくりをするウィレム・デ・クーニングや、単色をブロック状に描く「カラー・フィールド」で高い評価を得たマーク・ロスコなども代表的です。
これら抽象表現主義は、批評家のクレメント・グリーンバーグによる「フォーマリズム理論」の擁護によって大いに盛り上がり、“ヨーロッパでなくアメリカ主導の美術”という状況を築く礎にもなりました。
しかし、60年代に入ると、その影響力は失速をみせます。そして徐々に、対極的ともいえる具体的・大衆的イメージの「ポップアート」「ネオ・ダダ」などがアメリカ美術シーンの主流となっていくのです。
引用元:足立区綾瀬美術館 ANNEX http://suesue201.blog64.fc2.com/blog-entry-168.html
ポロックは咥え煙草がトレードマーク。
引用元:WIKIART https://www.wikiart.org/en/mark-rothko/no-3-no-13
抽象表現主義の代表作家であるマーク・ロスコですが、本人はジャンルにカテゴライズされることを嫌うので、このサイトが本人の耳に入ったら怒られる可能性も…さすがにないですね。
マーク・ロスコはこちらのページでも紹介しています。
DIC川村記念美術館(千葉)には、ロスコ作品が一部屋で楽しめるロスコ・ルームやポロック作品などが楽しめます。
身近なものに抽象表現主義を感じる人が多い模様。
抽象表現主義を見た後だと公園の壁も何かに見える pic.twitter.com/FbJ22yCvjx
— Kohei Ito Design (@DesignKohei) January 19, 2020
竹田城 穴太積み
— ろた (@rt_nihon) November 20, 2019
真ん中にきれいにはめ込まれた鏡石は、パワースポットとして手をかざす観光客が途切れない
大手門付近の石垣はほんとにすごい。20世紀の抽象表現主義アートのようでもある。美しい pic.twitter.com/b7r1BySw8R
見る人の想像力をかきたてる抽象表現主義。同じ作品を見ても、自分の今抱えているものや思考、その時々の気持ちや環境で受け取り方が変わる楽しさがあります。
現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。
抽象表現主義は、今までアートの歴史をリードしていたパリではなく、ニューヨークで栄えたアート。
その中心となったのはジャクソン・ポロック。床に置いた大きなキャンバスに絵具を垂らす「ドリッピング」によって、作品を作るという行為そのものもアートに昇華した「アクション・ペインティング」を広めた。
ジャクソン・ポロックはこちらのページでも紹介しています。