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ジャスパー・ジョーンズ

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ジャスパー・ジョーンズ
引用元:しゃえま偶感 https://shae-bear.com/archives/5532

2011年にオバマ大統領(当時)から大統領自由勲章を受賞したジョーンズ。(日本でいう、国民栄誉賞みたいなもの)

ジャスパー・ジョーンズ
引用元:note https://note.com/artoday/n/n5a52a87e396a

若いころは映画スターのような風貌。

ジャスパー・ジョーンズは
どんな人?

Jasper Johns。ネオ・ダダ、ポップアートの代表的芸術家(1930年~現在)。アメリカ国旗や数字、アルファベットといった記号を抽象表現主義風に描いた作品が有名です。

生まれはアメリカのジョージア州。アルコール中毒だった父と離婚した母に連れられサウスカロライナ州に移り、母・叔母・祖母の家を転々とする幼少期を送ります。

美術を学んだのは、ニューヨークのパーソンズ美術大学。途中で徴兵を経験しており、朝鮮戦争中は日本(仙台)に駐留していたこともあるそうです。

ニューヨークへ戻ってからは、画家仲間のロバート・ラウシェンバーグをはじめ多くのアーティストらと、新たなアートのアイデアを発信。ティファニーなどで使われるウィンドウディスプレイ用のコラージュや絵画・図面を制作し、アーティストとして独立することになります。ちなみにロバート・ラウシェンバーグとは、当時恋人関係にあったよう。晩年のインタビューで示唆しています。

ジョーンズがアーティストとしての地位を確立したのは、28歳のとき。美術商のレオ・カステッリに見出され、ニューヨークで初個展を開いたのです。ここで代表作である『旗』を発表して注目を浴び、それ以降、「数字」「標的」など日常的事物をモチーフとした絵画を手掛けます。 60年代以降は、脚などの鋳型や、ビール缶などのオブジェを発表。80年代からは人間のシルエットなど新たなモチーフを展開し、自伝的な要素が強い『四季』シリーズも発表しています。

絵画だけにとどまらず、版画や彫刻でも評価を得てきたジョーンズ。ピカソやレンブラント、ムンクなどに並び、歴史上最高の版画家の一人とも謳われています。

ジャスパー・ジョーンズの代表作

アメリカのシンボル

ジャスパー・ジョーンズ「旗」1954年バージョン

引用元:MUSEY https://www.musey.net/991

Flag
所蔵
ニューヨーク近代美術館
市場価格
3,600万ドル(約41億6300万円)※1983年バージョンについた値
初出
1954〜55年

ジョーンズが米軍での兵役を終えてから2年後の24歳で制作された作品。

アメリカ国旗を基盤とした作品は約40にものぼっています。1983年に描いた「旗」は、2014年のサザビーズで3,600万ドル(約41億6300万円)で落札されています。参照元:AFP https://www.afpbb.com/articles/-/3031568

この作品を描いたきっかけは「旗を描く夢を見た」こと。アーティストらしいエピソードですね。

よーく見ると、ストライプの下に新聞がコラージュされています。(下写真)

ジャスパー・ジョーンズ
    旗」1983年バージョン
引用元:しゃえま偶感 https://shae-bear.com/archives/5532

こちらが3,600万ドルの値がついた「旗」1983年バージョン。

ジャスパー・ジョーンズ
    旗」1966年バージョン
引用元:しゃえま偶感 https://shae-bear.com/archives/5532

そしてこちらが2010年に2,864万ドルの値がついた1966年バージョン。

「標的」と名付けられたシリーズ

ジャスパー・ジョーンズ「4つの顔のある標的」

引用元:PHAIDON https://uk.phaidon.com/agenda/art/articles/2017/may/15/what-was-the-target-in-jasper-johns-paintings/

4つの顔のある標的
Target with Four Faces
所蔵
ニューヨーク近代美術館
市場価格
3,600万ドル(約41億6300万円)※1983年バージョンについた値
初出
1955年

この「的」を題材にした作品も複数生み出しています。

世界での評価は高いのですが、いまいち日本での人気が低い気がするジョーンズ(ツイートもあまりないのです)。それは、こういった「アメリカンテイスト」な作風が影響しているのでしょうか?

ジャスパー・ジョーンズに関する
過去の展示inJAPAN

ジャスパー・ジョーンズ
「Usuyuki」展

ジャスパー・ジョーンズ「Usuyuki」展
引用元:美術手帖 https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/20795

2019年11月1日〜12月21日に東京・表参道で開催された、ジャスパー・ジョーンズ「Usuyuki」展。

1959年に、一人の日本人評論家と出会ったジョーンズは、日本文化に関心を持ち、東京に短期間スタジオを持つこともありました。

「Usuyuki」とは日本語の「薄雪」のことで、歌舞伎演目「新薄雪物語」(※)からきています。絵画4作品、ドローイング15作品、版画5作品からなる「Usuyuki」シリーズのうち、9作品がこの展覧会で展示されました。

※『新薄雪物語』は、時代物の名作として知られる人気狂言です。陰謀に巻き込まれた若い男女を救うために、命懸けで立ち向かう父親たちの姿や、刀鍛冶の秘伝をめぐる父子の葛藤など、各場ともに重厚感あふれる内容で、歌舞伎の様々な醍醐味が凝縮された舞台です。引用元:歌舞伎美人 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/6/#highlight

ジャスパー・ジョーンズについて
現代人の声を拾ってみた

監修者

【監修者】
染谷尚人
sponsored by 本郷美術骨董館

古き良きアメリカを思わせる作品が人気のジャスパー・ジョーンズ。「旗」のシリーズは日本でも人気。日本とのかかわりも深く、日本文化をモチーフにした作品もあります。

現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。

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