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草間が日本伝統の浮世絵に挑戦する形で描いた力作が「七色の富士」。強い生命力を感じさせる草間の傑作の一つとして著名です。 もともとは一色のみで「草間富士山」を描く予定だったものの、アダチ伝統木版画技術保存財団の提案により、七色による版画「草間富士山」を製作。草間本人の当初の思惑とは異なる作品群となったものの、逆に草間は七色の富士山に感動し、それぞれの富士山から得られたインスピレーションを基に即興の詩を詠んだとのことです。
富士山の背後には14,685個の水玉。草間が人生をかけて描き続けている水玉は、やはり「七色の富士」にも登場している形です。
木版画の原画となる草間の「七色の富士」は、2022年5月現在、東京・目白にあるアダチ伝統木版画技術保存財団常設展示場に展示されています。
アダチ伝統木版画技術保存財団は、日本伝統の木版街の後継者育成を目的に、主に木版画製作の監修事業を行っている団体。単に伝統を守る事業に留まらず、浮世絵版画の復刻事業やオリジナルの現代木版画の製作など、木版画という技法の可能性を追求し続ける活動を積極的に行っています。
同団体の常設展示場では、草間の「七色の富士」の他にも、伝統木版画に使う材料や道具など、木版画に関連する様々な資料を常設展示しています。