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蛭子

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作品解説

1992年に制作された《蛭子》は、白髪の作品の中でも珍しく、足跡が明瞭に残された一作です。フット・ペインティングによる負荷の影響で、左足の親指が反り上がっていた様子までくっきりとわかるほど、白髪の足跡が画面に刻まれています。

指先が勢いよくキャンバスに滑り込むような躍動感、激しく飛び散った飛沫、足で押し広げられた厚みのある絵具──そこにはまさに“描くという行為”そのものが視覚化されており、見る者に圧倒的な迫力と臨場感を伝えてきます。

黒一色という制限された色彩の中で、かえって無限に広がるような空間性と深みが立ち上がってくる本作は、「絵画とは行為である」という白髪の哲学を、まざまざと私たちに突きつけてくるかのようです。

作品詳細

蛭子を見られる美術館

「蛭子」は個人蔵の作品で、美術館の常設展示などでいつでも見られるわけではありません。ただし、特別展や企画展に貸し出されることもあります。

直近では、尼崎市総合文化センターにある「白髪一雄記念室」で開催された第24回展示「白髪一雄の足跡」(2024年10月26日から2025年3月23日まで)にて公開されました。

今後の展示情報は、美術館の公式サイトや展覧会情報をこまめにチェックしてみてください。

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