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《Milky Lake》(2001年)は、縦横2.5メートルを超える大きなキャンバスに描かれた作品です。画面には、腰まで“ミルクの湖”に浸かった少女がこちらを見上げる姿が描かれています。
その表情は一見すると無邪気にも見えますが、どこか挑発的な雰囲気も漂わせています。少し斜めに向けた視線、つり上がった口元――そこには、あどけなさと反抗心が同居した、奈良美智ならではの“両義的なまなざし”が感じられます。
見る者に安易な解釈を許さないこのまなざしは、シンプルな構図のなかに複雑な感情の層を宿しており、奈良作品の魅力を象徴する要素のひとつともいえるでしょう。
1959年、青森県弘前市生まれ。国内外で高い評価を受ける現代美術作家です。にらむような目をした少女をモチーフにしたドローイングや、アクリル絵具による絵画作品で広く知られています。1990年代以降はドイツでの制作活動を経て、世界各地の美術館やギャラリーで展覧会を開催。日本だけでなく、ロサンゼルス、香港、ドイツなどでも高い人気を集めています。
作品は平面にとどまらず、木材・FRP・ブロンズによる立体や、封筒や段ボールなど身近な素材に描いたドローイング、空間全体を使ったインスタレーションまで多岐にわたります。また、音楽や文学への造詣も深く、制作中にはレコードを流しながら筆をとることも多いとされ、その感性は作品にも静かに反映されています。
《Milky Lake》は、香川県にある高松市美術館に収蔵されています。この美術館では、「戦後日本の現代美術」「20世紀以降の世界の美術(版画)」「香川の美術(工芸)」という3つのテーマを柱に、1,700点を超える多彩な作品を収集しています。
奈良美智の作品も複数所蔵されており、《Milky Lake》のほかに、《Time of My Life 2001》や《地雷探知機》(1993年)といった作品もラインナップに含まれています。
展示状況については時期によって異なるため、訪れる際は美術館の公式サイトや展覧会情報で最新の展示状況をご確認いただくのがおすすめです。