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高尾(縦182cm・横273cm)は、白髪一雄が1959(昭和34)年に制作した作品です。
白髪一雄は1962年以降からヨーロッパ各地で作品を発表しており、2014年にパリで開催されたサザビーズオークションに出品された「激動する赤」は、当時の日本人作家では最高落札額となる約5億円で落札。2018年開催の同オークションでは「高尾」が出品され、約11億3,000万円という非常に高値で落札されたことで注目を集めました。
白髪一雄は1954年に結成された前衛アーティスト集団「具体美術協会」に所属しており、そのなかでもパフォーマンス・アートの先駆者的存在だったと言われています。白髪一雄のパフォーマンスを伴うアートは当時の日本では日の目を浴びなかったものの、フランスを中心とした欧米の美術界では「GUTAI」と呼ばれて広く知られていたとのこと。
高尾も、GUTAIの掲げる「人の真似をするな。今までにないものをつくれ」という思想が表現に感じられる作品の1つです。
2023年9月現在、「高尾」を常設している美術館の情報は見つかりませんでした。
白髪一雄のそのほかの作品のうち約140点は、白髪一雄のゆかりの地・兵庫県尼崎市にある「白髪一雄記念館」に所蔵されています。白髪一雄が確立した独自の技法「アクション・ペインティング」によって描かれた作品をはじめ、初期風景画や初期油彩作品などが展示されているため、白髪一雄の作品に触れたいという方は訪れてみてはいかがでしょうか。