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奈良がドイツ留学中の1991年に制作された「The Girl with the Knife in Her Hand」。以後、奈良作品のテーマとして多く登場する「頭の大きな女の子」の先駆的な作品と位置づけられています。
赤いワンピースと赤い帽子を身につけた可愛らしい女の子ですが、その目つきは決して穏やかではありません。その目つきの先にあるものは、他でもない、我々鑑賞者。鑑賞者に見下ろされている女の子の右手には、小さなナイフが握られています。
ナイフを持つ女の子について、奈良は「そんな小さなナイフでは戦えない。子供たちの周りには、もっと大きなナイフを持った悪人たちがいるように見える」という趣旨のコメントをしています。
「The Girl with the Knife in Her Hand」は、アメリカにあるサンフランシスコ近代美術館に展示されています。サンフランシスコ近代美術館の開館は1935年。のち1995年に大改修を経て、建築家マリオ・ポッタの設計による独創的な外観の美術館へと生まれ変わりました。
展示作品の多くは20世紀以上の現代美術。マティス、ポロック、デュシャン、ウォーホル、カーロなどの著名アーティストを含め、絵画、彫刻、インスタレーション、デザイン、写真など、合計3万点以上の現代アートを展示するアメリカ最大の近現代美術館です。