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Knife Behind Backは、奈良美智がドイツ留学を終えて約12年ぶりに日本へ帰国した2000年に制作されたアクリル作品です。2019年に香港で開催されたサザビーズのオークションにおいて約2,500万ドルで落札され、大きな話題となりました。
1990年代までの奈良美智の作品は黒の荒々しい輪郭線が特徴的な作風をしていましたが、ドイツでさまざまな芸術家の作品に触れたことで、より繊細かつ穏やかで深みのある作風へと徐々に変化していきます。1990年代の奈良美智の作品によく見られたナイフやチェーンソー、ピストルなどの武器も描かれなくなり、Knife Behind Backにおいても画題にナイフの存在が記されていますが、キャンバスには描かれていません。
挑戦的なまなざしの女の子の右手に隠されているだろうナイフの存在が、彼女の心の内に隠されている反抗心や怒りなどを表しているようにも見え、純真なだけじゃない子どもの威嚇的な感情や過激性をより感じられる作品に仕上がっています。
Knife Behind Backを見られる美術館の情報は、確認できませんでした。そのほかの奈良美智の作品は、青森の十和田市現代美術館をはじめ、栃木県那須のN's YARDや東京都現代美術館、豊田市美術館などに所蔵されています。