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1991年に制作されたまぼろしの犬のピラミッド。巨大な1匹の犬の上に、同じフォルムを描いた33匹の犬が描かれた作品です。
33匹の犬は、ピラミッド型で整然と並んでいるように見えますが、よく見ると1匹1匹が、右を向いたり左を向いたりと方向がランダム。社会風刺、ことに奈良が生きてきた時代の日本人の思想と大きな枠組みに対する、痛烈な社会風刺にも感じられる作品です。
ピラミッドの底辺部分、右側には犬が描かれず、代わりに「犬がいた」という文字が書かれています。ピラミッドを構成する存在は、このようにして一つずつ消えていきながらも、いつまでも増殖を続け、結局は大きなピラミッドの形が崩れないのかもしれません。
まぼろしの犬のピラミッドを見られる美術館は、青森市にある青森県立美術館。縄文遺跡で有名な三内丸山遺跡に隣接する形で運営されている美術館です。
青森県立美術館の開館は2006年7月。奈良美智や棟方志功、寺山修司など青森出身の有名作家の作品の他、草間彌生やシャガール、ピカソ、クレー、マティスなどの現代美術の巨匠たちの作品を数々展示しています。
中でも特に同美術館の中心をなす作家が奈良。同館の象徴として人気の巨大なブロンズ像「あおもり犬」(2006年)は、ファンであるか否かに関わらず、あまりにも有名でしょう。
館内にはカフェやショップなども併設。上述の三内丸山遺跡も隣接するなど、一日中楽しめるスポットとして県内外から多くの方々が訪れています。