本郷美術骨董館・染谷尚人
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染谷尚人
アートを「知る」楽しみ
東大赤門前で40年の実績がある、骨董品や古美術を買取、販売している本郷美術骨董館の代表。
アートを「知る」ことの楽しみを語っていただきました。
インタビュー
染谷尚人さん
骨董品や古美術の鑑定をおこなうかたわら、趣味で現代アートの収集を行い、本郷美術骨董館の1階にあるカフェ「BONART」で飾り、BSフジで放送中の「ブレイク前夜」の制作協力を務めるなど、現代アートの普及に一役を買っている存在です。
- 染谷さんは、現代アートに関する様々な活動を行なっていますが、それは「世界から遅れを取っている」と言われてしまうこともある、日本の現代アート市場を憂いてのことなのでしょうか?
- 染谷さん
- 憂いてというようなマイナスのスタートではなく、もっともっと市場が広がって、色んなアーティストが登場して、アート界が楽しくなればいいなという想いです。
- BSフジの「ブレイク前夜」もそれが目的ですか?だから敷居を下げるために、番組のYouTube配信も行なっていらっしゃるのでしょうか。
- 染谷さん
- そうですね。「ブレイク前夜」は日本にもこんなに多くのイキイキした次世代アーティストがいるんだぞ!というのを発信したい。それが企画の発端です。そのためにも、番組企画当初から、YouTubeでのアップはマストでした。
放送200回を超えましたが、最近は海外からのアクセスも増えているという嬉しい状況です。
引用元:ブレイク前夜オフィシャルサイト https://breakzenya.art/
BSフジで放送中の「ブレイク前夜」(毎週火曜日 21:55~)。毎週若手アーティストを紹介する5分番組。
- 毎週1人のアーティストを紹介するというのは、素人の私からすると「そんなに注目アーティストがいるんですか!」と思ってしまうのですが、アーティスト選定でのご苦労とかはないですか?
- 染谷さん
- 複数のギャラリーで候補を出し合っているので、困ることはないですね。今はSNSで多くのアーティストが自ら発信しているような状況ですし。ただ、SNSが発達した今だからこその悩みもあるのは事実です。
- 悩みとは、どんなことでしょうか?
- 染谷さん
- 中には「作品を加工してSNSに掲載するまでが作品」という方もいるので、撮影のために作品を持ってきてくださったら、SNSで見ていたものと全く違った!というパターンとか(笑)。
現代だからこそのことなので、悩みというより、面白いですけどね(笑)。
今回取材をさせていただいた本郷美術骨董館の1階にあるカフェ「BONART」。生演奏や、飾られた現代アートを楽しめる空間です。
- たしかにそれは現代社会ならでは…!そういったマイナス(?)もありますが、SNSでアートの敷居が下がりますし、いいこともたくさんありますよね。
- 染谷さん
- SNSのおかげで、アーティストが自身のプロモーションを簡単にできる時代になりました。その分、アーティストに自己プロデュース力が求められるという側面も出てきましたが…。
- 自己プロデュースですか?
- 染谷さん
- 自分の作品の露出方法や、作品の解説…。アーティストと見る側、買う側の距離が近くなっているので、作品だけではなく、アーティスト自身も見られる時代ですので、そういった意味での自己プロデュースですね。
- アーティストだからといって、ただただ素敵な作品を生み出していければいいわけじゃないんですね。
- 染谷さん
- はい。それを煩わしく思うアーティストもいるかもしれませんが、知ってもらうチャンスやプラットフォームは多いにこしたことはないと思っているアーティストのほうが圧倒的に多いと思います。
アートを楽しむ側にとっても、美術館に行かなくても、SNSや、「ブレイク前夜」のようにYouTubeで365日、家で美術鑑賞ができるというのも、すばらしいことだと思います。
- アートが気軽に楽しめるようになった分、たとえばアートを買わない人が増えたとか、「お金を出さないアート鑑賞者」が増えるような懸念はないのでしょうか?
- 染谷さん
- それはどうでしょう。SNSから入って、個展に足を運んで、さらに買う人もいれば、個展には足を運ばなくても、ネットで買う人もいる、SNSだけで楽しむ人もいる。本当に人それぞれです。
アートにお金を出す人と出さない人は昔からいるので、その割合が大きく変わるとか、お金を出さない人が増えるというようなことはないと思います。
講演活動や、メディア出演も多い染谷さん。鑑定士としての顔、現代アート愛好家としての顔など、いろんな表情をお持ちです。
- 確かに、ちょっと浅はかな考えでした。いつの時代も、買う人は買う、買わない人は買わない。それだけのことですね。
今回このインタビューが掲載されるサイトも監修を務めていただき、染谷さんの「現代アート愛」を感じることができました。もっと商売という気持ちでアートを考えているのかと思っていました…。
- 染谷さん
- ははは(笑)。やっぱり好きじゃなければできないですよ。現代アートは商売というより趣味のような部分も大きいので!
- 最後に、テーマに沿って「現代アートを知る楽しみ」について、ぜひメッセージがあればお願いします。
- 染谷さん
- インタビューでも申し上げましたが、SNSやYouTubeなど、本当に手軽にアートに触れることができるようになりました。
さらに一歩踏み出して、作家の想いであったり、作品を間近で見たりすることで、より世界が広がると思います。ぜひ、みなさん自身の好きなスタイルで、アートの世界を楽しんでください。
- 今回はありがとうございました!
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