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ヨーゼフ・ボイス

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ヨーゼフ・ボイス
引用元:カーサ ブルータス https://casabrutus.com/art/99617

ヨーゼフ・ボイスは
どんな人?

Joseph Beuys。フェルトの帽子とフィッシャーマンズベストがトレードマーク。旧西ドイツ出身の現代美術家です(1921年~1986年)。

現代アート界のスターでありながら、社会活動家として政治経済・思想・科学・芸術…と幅広い分野の講演や討論、執筆などを行ったことで知られます。「芸術概念の拡張」をさまざまな形で体現し、世界中に議論とセンセーションを巻き起こした、伝説的な芸術家です。

ドイツのクレーフェルト生まれ。自然を愛し、医学の道を志す子供でしたが、10代で彫刻家のヴィルヘルム・レームブルックから強い衝撃を受けたことがきっかけとなり芸術の道へ。

初めは彫刻を手掛けていましたが、現代アートグループ「フルクサス」との出会いにより、1962年以降は「アクション」と呼ばれるパフォーマンス作品を次々に発表。宗教・文化を題材にしたもの、動物とのコミュニケーションを図るもの、さらには討論会というかたちをとったもの、街の清掃活動など、形態にこだわらずさまざまな形で発表されました。その内容は、作品・パフォーマンス・社会活動の線引きが難しいのが特徴です。

そんなボイスの作品には、脂肪やフェルトを素材にしたものが多くあり、これについてはとあるエピソードが有名です。

第二次世界大戦の折、18歳だったボイスはドイツの空軍に配属され、乗っていた飛行機が迎撃により墜落。大きな傷を負ったところタタール人に救出され、「体に脂肪を塗りフェルトでくるむ」という体温維持のための処置によって一命をとりとめた、というものです。その真偽はわかりませんが、「脂肪」と「フェルト」が彼の芸術活動のキーワードであることは確かです。

ボイスはその芸術人生を通し、「自ら考え、決断し、行動することで社会参加せよ」とのメッセージを訴え続けました。語り継がれる彼のセンセーショナルなパフォーマンスや挑発的議論は、すべてその思想を体現するものだったといえます。そうした彼の精力的な姿勢こそが、今もアートの分野を超え多くの人々へ影響を与え続ける理由なのでしょう。

ヨーゼフ・ボイスの代表作

死んだうさぎに
絵を説明する方法(1965年)

ドイツ(当時は西ドイツ)・デュッセルドルフのシュメラ画廊で開催されたもの。

「これは観客をガラス壁の向こうに追い出して、ギャラリーの中で死んだ野うさぎを腕に抱き、うさぎに絵画の説明をし、その後、野うさぎの身体を絵画に直接触れさせた。ボイスは頭を蜂蜜や金箔で覆い、右足には鉄の靴底を履き、左足にはフェルトの靴底を履いていた。パフォーマンスの3時間後に鑑賞者は部屋に入り、ボイスは入口のそばにあるイスに兎を抱きながら座った。」(引用:アートペディア https://www.artpedia.asia/2017/02/09/ヨーゼフ-ボイス/)という、シュールなもの。

フェルト彫刻を打ち立てた作品

ヨーゼフ・ボイス「グランドピアノのための等質浸潤」

引用元:アートペディア https://www.artpedia.asia/2017/02/09/ヨーゼフ-ボイス/

グランドピアノのための等質浸潤
発表年
1966年

ボイスのトレードマークともいえるフェルトを使用した、「フェルト彫刻」というジャンルを打ち立てた作品。

レモンとソケットが奏でる芸術

ヨーゼフ・ボイス「カプリ・バッテリー」

引用元:ICC ONLINE https://www.ntticc.or.jp/ja/feature/2008/Light_InSight/Works/capribattery_j.html

カプリ・バッテリー
Capri Battery
所蔵
国立国際美術館(大阪)
発表年
1985年

2008年に東京都のNTTインターコミュニケーション・センターで開催された「ライト・[イン]サイト―拡張する光、変容する知覚」展による解説は以下。

黄色く塗られた白熱電球にレモンをソケットによりつなぐことで,光エネルギーを理念的に提示したオブジェ作品.レモンの酸性成分が微弱な電流を発生させ,バッテリーとして電球に光が与えられる.電球の表面からは見えないものの,エネルギーとしての「光」がそこに発生していることを,観客は想像的に体験することになる(引用:ICC https://www.ntticc.or.jp/ja/feature/2008/Light_InSight/Works/capribattery_j.html)

わかるような、わからないような…?

ヨーゼフ・ボイスの映画

ヨーゼフ・ボイスは挑発する(2017年)

「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」ポスター
引用元:Vimeo https://vimeo.com/ondemand/uplinkcloud147/

本人の貴重な映像、関係者への取材を元に作られたドキュメンタリー映画。

予告編や本編レンタルはこちらで(下のTwitterでも見られます)

カーサブルータスではワタリウム美術館設立者・館長の和多利恵津子が本作について取材を受けており、「アート関係者も初めて目にする映像が多いのではと思います」と語っています。

ヨーゼフ・ボイスの名言

今は民主主義がない、だから俺は挑発する!

引用元:ヨーゼフ・ボイスは挑発する(監督・脚本:アンドレス・ファイエル/2017年・ドイツ/出演:ヨーゼフ・ボイス、キャロライン・ティズダル、レア・トンゲス・ストリンガリス、フランツ・ヨーゼフ・ファン・デア・グリンテン、ヨハネス・シュトゥットゲン、クラウス・シュテーク/配給・宣伝:アップリンク)

全ての人は芸術家である。
Jeder Mensch ist ein Kuenstler

ヨーゼフ・ボイスについて
現代人の声を拾ってみた

監修者

【監修者】
染谷尚人
sponsored by 本郷美術骨董館

政治的メッセージが強いアーティストなので、当時の東西ドイツの歴史などと一緒に追うと、ただ作品を見るだけよりも、理解が深まるかと思います。

現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。

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