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「陰火」とは、墓地などで燃える奇怪な青白い火を指す言葉。その名の通り、この作品は闇の中にぼんやりと浮かぶ光の存在感が特徴的です。
白髪がフット・ペインティングというスタイルを確立する前の初期作品で、1951年に制作されました
この時期の白髪の作品は、愛読していたドイツ文学、とくにE.T.A.ホフマンに影響を受けていたそう。ホフマンの作品には、日常の風景がふとした瞬間に不気味な異界へと変貌する感覚が漂っています。「陰火」にも、そうした現実と幻想の曖昧な境界線、蠢くような不穏な気配が感じられるのではないでしょうか。
陰火は、兵庫県尼崎市総合文化センター内の白髪一雄記念室に収蔵されています。
白髪一雄記念室には、陰火をはじめ、白髪一雄の初期作品やアクション・ペインティングの代表作などが多数収蔵されており、これらの作品や資料を調査・整理しながら順次公開を行っています。
展示作品は年に2回程度入れ替えが行われるため、訪問時に陰火を実際に鑑賞できるとは限りませんが、一部作品は事前予約で閲覧可能な場合があります。興味のある方は、ぜひ事前に確認してみてください。