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篠田桃紅

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篠田桃紅
引用元:岐阜現代美術館 http://www.gi-co-ma.or.jp/collection/photo/

篠田桃紅はどんな人?

しのだ とうこう。世界に誇る日本の美術家・エッセイスト。現在106歳。既製の書道にとらわれない、墨を使った抽象芸術を確立させた人物です。

中国の大連に生まれ、東京で育った篠田桃紅。父に教えられ5歳で初めて墨・筆に触れて以降、独学で書を極めていきます。

第2次世界大戦の終戦後、本格的に創作活動をスタート。新進気鋭の女流書家として注目されましたが、43歳の時(1956年)にアメリカへ渡ります。文字が文字として読まれない外国で自分の作品がどう受け入れられるのか、試したくなったのです。そしてその試みは大成功。「墨のアート」として、高く評価されました。ニューヨークを拠点に、シカゴ・ボストン・シンシナティ・パリなどでも個展を開催します。

1958年の帰国後は、壁書・壁画やレリーフなど建築関連の仕事のほか、増上寺大本堂の襖絵といった大作も手掛けるように。また、装丁や題字、随筆、リトグラフなど、その活動は多岐にわたりました。

1980年代~90年代になると、1950年代の激しい筆つきは叙情性をもつようになり、より洗練された作風に。近年は、静かに、しかし鋭い墨で趣ある作品を生んでいます。御年100歳を超える現在も創作活動は続いており、現役美術家です。

従来の書道にとらわれない、墨を使った抽象芸術を確立させ、国際的に高い評価を得た篠田桃紅。

2000年代には、新潟市や関市(岐阜県)に彼女の名前を冠するギャラリーが次々と開館。エッセイ『一〇三歳になってわかったこと』がベストセラーを記録するなど、メディアにもたびたび登場しています。2005年には、ニューズウィーク日本版が発表する「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれました。

篠田桃紅の代表作

篠田・104歳の会心作

篠田桃紅「もみじ」

引用元:girls Artalk http://girlsartalk.com/feature/25375.html

もみじ
Momiji
所蔵
個人蔵
発表年
2016年

100歳を過ぎてなお、日々筆をとり、新作を生み出す篠田。この「もみじ」は、104歳のときの作品ですが、出来上がったときに「素晴らしいものが出来たからみて欲しい」と、篠田のコレクションを多く所蔵しているトールマンに電話をしたという、自他ともに認める会心作。

朱に在原業平のちはやふるの和歌をのせた作品です。

詩を「書く」ということ

篠田桃紅「甃(いし)のうへ、」

引用元:girls Artalk http://girlsartalk.com/feature/25375.html

【左】甃(いし)のうへ、【右】花のたね
所蔵
個人蔵
発表年
【左】1990年頃、【右】1958年頃

「花のたね」は三好達治の詩「桐の花」を書いた作品。詩も本人自身が選んでいるとはいえ、「言葉の意味を見るよりも、線の力、形を見て味わってもらいたい」と思っているそうです。詩の内容は以下。

夢よりもふとはかなげに

桐の花枝をはなれて

ゆるやかに舞いつつ落ちぬ

二つ 三つ 四つ

幸あるは風に吹かれて

おん肩にさやりて落ちぬ

色も香もたふとき花の

ねたましやその桐の花

昼ふかき土の上より

おん手の上にひろはれぬ

引用元:「艸千里」(著:三好達治/出版社:東京創元社/刊行年:昭和15)

岐阜現代美術館のコレクションの数々

篠田桃紅「船」

引用元:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000047031.html

Ship
所蔵
岐阜現代美術館
発表年
2002年

世界最大の篠田作品コレクション数を誇る、岐阜現代美術館。公式サイトでは、年代やジャンルで篠田作品を絞り込めるので、一見の価値あり。

篠田桃紅「静」

引用元:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000047031.html

所蔵
岐阜現代美術館

篠田桃紅の名言

書家が書を独占しているつもりでいること程、滑稽なことはない。

引用元:「書の開放」(篠田桃紅)

頼る人にならない。頼られる人にもならない

書は世界に類を見ない芸術であるーー

引用元:「一◯五歳、死ねないのも困るのよ」(著:篠田桃紅/出版社:幻冬舎/発売日:2017/10/12)

影響を受けて、ただ真似るのは横着な人生。自分はどう考えるのか、手探りで求める

引用元:「一◯五歳、死ねないのも困るのよ」(著:篠田桃紅/出版社:幻冬舎/発売日:2017/10/12)

篠田桃紅について
現代人の声を拾ってみた

監修者

【監修者】
染谷尚人
sponsored by 本郷美術骨董館

書というよりも、墨を使ったアート。繊細さと力強さを兼ね備えた作品は美しいの一言です。
汐留のホテル・コンラッド東京28階のロビーには、篠田の巨大壁画「人よ」が飾られています。これは、2005年のホテル開業に合わせて制作された作品。美術館に行かずとも楽しめる篠田作品を汐留に楽しみに行くのもいいでしょう。

現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。

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〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-17 本郷美術ビル2階(東大赤門前本店)
電話番号:
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