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無限に広がり続ける網目は、トレードマークにもなっている水玉模様と同じく草間彌生が繰り返し描いているモチーフです。Infinity Nets(無限の網)は作品シリーズの呼称で、1953年に制作されたこの作品のほかにもInfinity Netsと題する作品を多く発表しています。
Infinity Netsは1957年にアメリカでの初個展でお披露目され、草間のライフワークにもなっている作品シリーズです。何度もびっしりと繰り返し描き込まれた図形が網の目のように見えることから、後に「ネット・ペインティング」と呼ばれるように。この網の目は草間が幼い頃から抱えている精神障害や幻覚に由来しているとされ、強迫的な反復は同時代の芸術家にも影響を与えました。
アンディ・ウォーホルやフランク・ステラなどが用いる反復技法も草間の作品からインスパイアされたものと考えられています。
1953年に制作されたInfinity Netsは、東京都の町田市立国際版画美術館に所蔵されています。町田市立国際版画美術館では国内外から優れた版画作品を収集しており、2021年に「シリーズ現代の作家 草間彌生」という展示会も開催しています。