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Sleepless Night(Sitting)

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作品解説

奈良美智の《Sleepless Night(Sitting)》は、眠れない夜のわずかな時間を切り取ったかのような、不思議な静けさをまとったオブジェ作品です。エディションは300体限定。奈良の立体作品の中でも特に人気が高く、コレクターからの評価も高い一作として知られています。

丸みを帯びたフォルムは、一見すると愛らしく、どこか無防備にも見えます。しかし、暗闇の中で天井をじっと見つめるその表情には、可愛いだけでは片づけられない緊張感が漂います。眠れない夜にふと訪れる、思考が研ぎ澄まされていくような時間。その感覚が、静かに造形へと落とし込まれているようです。

不敵とも取れる視線と、幼い佇まい。そのアンバランスさこそが、この作品の最大の魅力でしょう。見る者は、可愛らしさに安心しながらも、その奥に潜む感情の揺らぎに気づかされ、いつの間にか目を離せなくなります。奈良美智らしい「かわいい」と「不穏」が共存する世界観が、コンパクトなサイズの中に濃密に凝縮された作品です。

作品詳細

作家紹介:奈良美智について

奈良美智は、現代美術を語るうえで欠かすことのできない日本人アーティストの一人です。大きな目をした子どもや動物をモチーフにした作品は、世界中で高い評価を受けています。一見シンプルで親しみやすいその表現の奥には、反抗心や孤独、怒り、そして微かな優しさといった、複雑な感情が込められています。作品に描かれるまなざしは、鑑賞者を突き放すようでありながら、どこか寄り添ってくるような距離感を保っています。

絵画だけでなく、彫刻やインスタレーション、ドローイングなど、幅広い表現を手がけてきた奈良美智。《Sleepless Night(Sitting)》は、彼の世界観を立体として体感できる作品であり、平面作品とはまた異なる存在感を放っています。

Sleepless Night(Sitting)を見られる美術館

《Sleepless Night(Sitting)》は、タグチアートコレクションに所蔵されています。

タグチアートコレクションは、ミスミグループ創業者・田口弘によって築かれた現代アートコレクションです。2020年12月時点で約550点におよぶ作品を所蔵し、アメリカン・ポップアートを起点に、世界各国の多様な表現を幅広く収集してきました。立体や写真、映像など、素材や形式にとらわれない構成も、このコレクションの大きな特徴のひとつです。

その根底にあるのは、「作品は人に見てもらってこそ意味がある」という考え方です。街角で偶然目にしたキース・へリングの版画に衝撃を受けたことをきっかけに始まった収集は、当初から公開を前提としたものでした。企業コレクション、そして個人コレクションへと形を変えながらも、その姿勢は一貫しています。

特定の美術館を構えず、全国各地の美術館で展示を行うというスタイルも、タグチアートコレクションならではの特徴です。首都圏に限らず、現代アートに触れる機会が少ない地域にも作品を届けたいという思いから、多くの展覧会が企画されてきました。

展示の機会や場所は時期によって異なるため、鑑賞を希望される場合は、事前に最新の展示情報をご確認ください。

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