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白髪一雄の蠕(ぜん)は、1954年に制作された作品です。ピンクを基調としたなかに青と黒の太い線が絡み合うようにねじれた動きを見せており、背景には水が横に流れるような線が描かれています。作品タイトルの蠕はうごめくとも読み、作品に描かれた線の流れや動きを表していると言えるでしょう。
白髪一雄は、天井に吊り下がったロープにつかまりながら床に広げられた大きなキャンバスの上を素足で描く、アクション・ペインティングで知られる画家です。ダイナミックな作風は海外からの評価も高く、日本を代表する現代アート作家の1人となっています。
蠕はアクション・ペインティングによって描かれた作品ではなく、作風にダイナミックさはさほど見られません。ただ、描かれる線の流れやうごめきに、アクションペインターの白髪らしいエネルギーが感じられます。
2023年12月現在、蠕は兵庫県立美術館に所蔵されています。兵庫県立美術館では白髪一雄をはじめとした兵庫県にゆかりのある作家の作品を多く所蔵しており、所蔵作品を順次公開するコレクション展を年に数回開催。蠕を鑑賞したいという方は、兵庫県立美術館の展示会情報をぜひチェックしてみてください。