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残夢

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作品解説

残夢は京都で日本画の技法を学んだ草間が、20歳頃に岩彩を用いて制作した初期の作品です。現存している数少ない日本画作品の1つで、種苗業を営む生家が所有していた採種場の記憶をもとに描かれた作品と言われています。

草間作品の代表的なモチーフである水玉は、本作ではまだ見られません。ただ、奇怪な食虫植物のようにグロテスクに描かれた向日葵の花芯には種がドット状に細かく表現されており、強迫観念からくる独自の世界観が初期作品ですでに表れています。残夢を制作した当時の草間はフランスで起こったシュルレアリスム運動を認知していなかったとのことですが、草間の内発的なシュルレアリスム性が表れた作品として評価されています。

草間のシュルレアリスム性を日本画の技法で描いた本作は、現在にまで続く草間作品のルーツとも言える大作です。

作品詳細

残夢を見られる美術館

残夢は新宿にある草間彌生美術館に所蔵されています。同館は草間彌生が設立し、一般財団法人草間彌生記念芸術財団が運営している美術館です。同館が所蔵する草間作品のコレクションは年に2回開催される展覧会で展示されるため、初期の代表作である残夢を鑑賞したい方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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