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実は銀髪カツラ&鼻の整形手術をしていたウォーホル。
Andy Warhol。本名はアンドリュー・ウォーホラ(Andrew Warhola)。
トレードマークの銀髪カツラが有名なアンディウォーホル。アメリカの版画家・画家・芸術家で、ポップアートの旗手です(1928年~1987年)。映画製作やロックバンドのプロデュースなども手掛けた、マルチなアーティストでした。
アメリカのピッツバーグで幼少期を過ごし、大学卒業後にニューヨークへ。そこで本名から名前をアンディウォーホルとし、コンプレックスだった容姿も整形。徹底した自己プロデュースとともに、商業アーティストとして知名度を上げていきます。商品の広告や、『マドモアゼル』『ヴォーグ』などの有名ファッション誌も手掛けるなど、人気を博しました。
純粋な芸術家として歩み始めるのは30代以降。1962年にアーティストデビューし、代表作として知られる『キャンベルスープ缶』を発表します。「ファクトリー」と呼んだ絵画生産工場で大量生産される彼の作品の中で、よく売れたのは『花』。また、マリリンモンローをモチーフにした作品も非常に有名です。
一躍人気アーティストとなったウォーホルですが、1968年、衝撃的な事件が起こります。ヴァレリー・ソラナスという女性に銃で撃たれ、瀕死の重傷を負うのです。2発は外れますが3発目は左肺・脾臓・胃・肝臓を貫通、しかし幸いにも一命をとりとめました。この事件は、1995年に映画化もされています。
シルクスクリーンという版画の技法を用い、マリリンモンローやキャンベルスープ缶など、大衆社会で無数にばら撒かれているイメージを作品化した彼。そこに、自身の思想や感情、手仕事の痕跡は見出せません。無数のイメージを消費し続ける大衆社会そのものを表現してみせたのです。「機械になりたい」という有名な発言にも、その思想が垣間みえます。
「キャンベルのスープ缶」について、所蔵しているニューヨーク近代美術(MOMA)による解説をご紹介します。
アンディ・ウォーホルは、有名人やタブロイド紙の写真、新聞マンガなどの身近なものから着想を得ており、本作品はキャンベルスープカンパニーのスープ缶が基になっています。
1962年、彼が初めてキャンベル缶スープを出展した時、食料品店の商品と同じ様に、棚の上に展示されていました。当時、キャンベルスープカンパニーのスープ缶は32種類が売られてれており、ウォーホルの絵もまた、32種類の缶スープが描かれていました。(1897年に初めて発売された味は、トマトでした。)
ウォーホルがインスパイアされたキャンベルのスープ缶は、広告で大量に使われた印刷のようでしたが、作品は手書きで作成されており、缶の下部にはフルール・ド・リス(フラダリ・fleur de lys)模様が描かれています。ウォーホルは、規則正しく繰り返されるカラフルな広告をイメージして、それぞれのキャンバスに描きました。
1962年の終わり頃、ウォーホルがキャンベルのスープ缶を完成させた直後、彼の手法はシルクスクリーンに変化していました。それは商用利用のために考案された版画の技術の一つです。この技術は彼の代名詞ともなり、彼のアート手法はさらに広告に近いものとなりました。 後に彼は語っています。「アートは限られた人のためだけにあるべきではない。アメリカの大衆のためにあるべきなんだ。」
Andy Warhol famously appropriated familiar images from consumer culture and mass media, among them celebrity and tabloid news photographs, comic strips, and, in this work, the widely consumed canned soup made by the Campbell’s Soup Company.
When he first exhibited Campbell’s Soup Cans in 1962, the canvases were displayed together on shelves, like products in a grocery aisle. At the time, Campbell’s sold 32 soup varieties; each one of Warhol’s 32 canvases corresponds to a different flavor. (The first flavor the company introduced, in 1897, was tomato).
Though Campbell’s Soup Cans resembles the mass-produced, printed advertisements by which Warhol was inspired, its canvases are hand-painted, and the fleur de lys pattern ringing each can’s bottom edge is hand-stamped. Warhol mimicked the repetition and uniformity of advertising by carefully reproducing the same image across each individual canvas.
Towards the end of 1962, shortly after he completed Campbell’s Soup Cans, Warhol turned to the photo-silkscreen process. A printmaking technique originally invented for commercial use, it would become his signature medium and link his art making methods more closely to those of advertisements. “I don’t think art should be only for the select few,” he claimed, “I think it should be for the mass of the American people.”
(色違いも含め)誰もが一度は目にしたことがあるはずの「マリリン・モンロー」。「大量生産は芸術とは言わない」「女優の死を利用した不謹慎な作品」(モンローの死後すぐ制作されたため)と非難も浴びました。
2014年にサザビーズで競売にかけられ、3010万ドル(約31億円)で落札されたウォーホルによる自画像。
アート作品を5月16日のサザビーズオークションに数点出品します。大切に引き継いでくださる方にお譲りします。 pic.twitter.com/WcxsY0ige8
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤 友作 (@yousuck2020) May 4, 2019
サザビーズで取引されることが多いウォーホル作品。Twitter右の画像、「FLOWERS」は2020年にZOZO前澤友作が出品し、567万4,250ドル(約6億2,261万円)で落札されました。
この価格は、なんと予想落札価格の2倍を超えていたとか。
ちなみに隣の画像はエド・ルシェ(Ed Ruscha)の「BONES IN MOTION」。こちらは242万ドル(約2億6,554万円)で落札されています。
アンディ・ウォーホル美術館全面協力のもと、日本初公開となる「三つのマリリン」(上画像)、日本の金箔の技法を取り入れた「孔雀」など、約200点が公開されます。なんとそのうち約半数が日本初公開!
美しくない人なんて、僕は出会ったことがない。
I’ve never met a person I couldn’t call a beauty.
人々が必要としないものを作る、それがアーティストなのさ。
よく同じ問題に長年悩まされ続けてる人がいたりするけど、そんな時「だから何なんだよ」って言ってしまえば済むことさ。これは僕の好きな言葉のひとつさ、「だから何だってんだ」
— 偉大なアーティストからのメッセージ (@gr8artistwordjp) February 11, 2020
【アンディ・ウォーホル】 https://t.co/oXLSDZmgyN pic.twitter.com/KqRsBY96ik
うちの壁にキャンベルのスープ缶
— 沖田ミツヲ@劇工くらふと (@ononmitsu) February 17, 2020
飾ることにした。アンディ・ウォーホル pic.twitter.com/fEQv5euY4E
アンディウォーホルのシルバーファクトリー
— 野良 (@5eiji_) February 16, 2020
時計仕掛けのオレンジ アレックスの部屋
一度住んでみたい pic.twitter.com/IVn7R2cciO
商業主義を皮肉ったアンディ・ウォーホル。最初は批判も多く、アーティストとして認められないなんていう批評家の声もありましたが、今やアート界に大きな影響を与えたアーティストとして確固たる地位を築いています。
現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。
あまりにも有名な作品すぎて、この缶のデザインをウォーホルがしたと思っている人も多いのでは。
ウォーホル実はモチーフにしただけです。なぜモチーフにしたかというと、「僕は自分が美しいと思うものを、いつも描いているだけです。(中略)僕はスープを描いていますが、それは僕がスープを好きだから。」(引用:キャンベル https://www.campbellsoup.co.jp/ourcompany/himitsu_03.html)だそうです。