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オブジェや装置などを置いた、展示空間そのものを作品とするアートのことをインスタレーションと言います。「設置」を意味する言葉であるインスタレーション。観るだけでなく、作品を空間ごと体験できるのが大きな特徴です。
絵画や立体作品といった既存のジャンルとは異なる新しい表現方法として、1970年代以降に盛んになったインスタレーション。1920年頃に自宅アパートの一室を作品化した、クルト・シュヴィッタースの作品「メルツバウ」がその先駆けであると考えられています。またインスタレーションに影響を与えているのが「ハプニングの父」として知られるアーティスト、アラン・カプローの環境芸術です。
インスタレーションアートの代表的な作家として「モスクワ・コンセプチュアリズムの父」と呼ばれるイリヤ・カバコフや光のインスタレーションを手掛けるジェームズ・タレルなどが挙げられます。日本出身のアーティストとしては、水玉の作品でおなじみの草間彌生や大規模なインスタレーションが話題となった塩田千春、デジタル技術を駆使したアート集団・チームラボなどが有名です。
インスタレーションの特徴は、作家・作品によって多種多様。現在では、ビデオインスタレーションやサウンドインスタレーション、様々な技術を駆使したニューメディアインスタレーションなど、新しい表現方法が増えてきています。
高さ10メートル以上の巨大な蜘蛛に圧倒される作品。東京の六本木ヒルズにパブリックアートとして設置されていたので、見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。巣を張る蜘蛛のイメージと、織物職人だったルイーズ・ブルジョアの母の姿が重なって見えたことからインスピレーションを受けていると言われている作品です。ルイーズ・ブルジョワから母へ向けた愛が込められているのかもしれませんね。「MAMAN」には複数のバーションがあり、ニューヨークのグッゲンハイム美術館やロンドンのテートモダンなどにも展示されています。
イリヤ&エミリア・カバコフは、ユニークなインスタレーション作品を多く手掛けるウクライナ出身のアーティスト夫妻です。日本でも2004年に、森美術館でイリヤ&エミリア・カバコフ展覧会が開催されました。過去・現在・未来の3つの要素から構成された展覧会。当時の観客は、巨人や小人になったような不思議な感覚を体験しながら作品を楽しめたそうです。
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お医者さんの朝の予約があったので雪の中をテクテク歩いて向かってる途中で、お花を凍らせたインスタレーション的なものを発見。写真撮るときれい、絵画みたい。 pic.twitter.com/S0KkYj0PbC
— hommy@ベルリン植物&ものづくり (@studio_hommy) February 11, 2021
今やっている絵画表現から、半インスタレーションのような構想を取り入れる計画を少しずつ立てています。来月の展示に向けては新作の油彩画を用意しておりますが、7月にもグループ展を予定していますのでその時に発表できたらと思います。新しい挑戦なのでかなり楽しみです。
— アリヤ人 (@ariyadena) February 16, 2021
現代アートから骨董・古美術までを扱う「本郷美術骨董館」代表。20歳から草間彌生の作品を集めているコレクターでもある。BSフジで放送中の、若手日本アーティストを紹介する番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」制作提供も行っている。お店では鑑定をするかたわら、テレビ・ラジオなどにも出演し、現代アート界を盛り上げている。
インスタレーションの歴史を語る上で欠かせないのが、クルト・シュヴィッタース。1920年頃に、彼が制作した立体建築のような作品は「メルツバウ(メルツ建築)」と呼ばれ、インスタレーションの在り方に影響を与えたと言われています。アパートの自室に大量にオブジェを設置して表現された作品は残念ながら現存していません。しかし当時の様子が分かる写真から、その空間を活かした芸術を感じられます。