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白髪一雄の「懐素上人」は、仏教をテーマにした作品のひとつです。タイトルにある「懐素」は、唐代の僧であり、草書の名手として知られる人物。その名を冠したこの作品には、書のように力強さを感じさせます。
特徴的なのは、白一色の絵具のみで構成された画面。色彩を排したことにより、足跡のリズムや絵具の盛り上がり、動きの軌跡そのものが際立ちます。盛り上がった絵具の質感や、奔放に広がる動きには、まるで書の筆致にも似た身体性とリズムが感じられるのではないでしょうか。
「懐素上人」は、兵庫県立美術館に所蔵されています。白髪一雄の地元でもある兵庫のこの美術館では、「天異星赤髪鬼」「色絵」「作品I」など、彼の代表作を多数収蔵しています。
ただし、所蔵作品は展示時期によって公開状況が異なります。また、他の美術館への貸し出しが行われることもあります。「懐素上人」を実際に鑑賞したい場合は、美術館の公式サイトなどで展示情報を事前に確認したほうがよいでしょう。