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梁山泊

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作品解説

1967年に制作された《梁山泊》は、縦181cm×横305cmという横長の大画面に、鮮烈な赤と黒が渦を巻くように展開する壮大な一作です。白髪一雄は床に置いたカンヴァスへ直接足で絵具を塗り込める“フット・ペインティング”で知られますが、本作はさらにスキー板やヘラをワイパーのように走らせ、扇形の大胆なストロークを生み出した時期の代表例です。

作品タイトルの「梁山泊」は、中国の長編小説『水滸伝』に登場する、百八人の豪傑たちが集う伝説の地。白髪はこの“梁山泊”に、血と暴力、混沌と義の共存する世界観を見出し、そのエネルギーを色と形に変換しました。鮮烈な赤の色調は、戦いや情熱の熱量を思わせ、荒々しさの中に凛とした緊張感を宿しています。

身体と素材の直接的なぶつかり合いが刻む“行為の痕跡”は、見る者に戦いの興奮をそのまま伝えるかのような迫力を放ちます。

作品詳細

梁山泊を見られる美術館

《梁山泊》は、神奈川県横浜市西区のみなとみらいにある横浜美術館に所蔵されています。同館は1989年に開館し、近現代美術を中心に約14,000点以上の収蔵品を誇る国内有数の美術館。白髪一雄の作品としては、《曲流》も同館に所蔵されています。

横浜美術館では、所蔵品をテーマごとに紹介するコレクション展や、現代の美術潮流を反映した企画展が随時開催されており、白髪の作品が展示される機会も多くあります。吹き抜けのグランドギャラリーをはじめ、ゆとりある展示空間とともに、美術図書室やアトリエも併設された施設です。

展示内容は入れ替わることもあるため、《梁山泊》が公開されているかどうかは、美術館の公式サイトで最新情報を確認してから訪問されることをおすすめします。

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