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天暴星両頭蛇

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作品解説

1962年に制作された白髪一雄の《天暴星両頭蛇》。巨大なキャンバスの上にぶつかり合う身体と絵具、その衝突の痕跡が生々しく刻まれた、まさに圧倒的なエネルギーを放つ一作です。

本作は、白髪の代表作のひとつであり、彼自身も「お気に入り」と語っていた作品。ダイナミックなストロークがうねり、渦巻き、画面全体を覆い尽くすように広がっています。特に、絵具が激しく跳ね、厚く盛り上がった箇所からは、身体と素材が直接ぶつかり合った白髪の独特の制作スタイルがはっきりと伝わってきます。

タイトルの「天暴星両頭蛇」は、中国の古典小説『水滸伝』に登場する豪傑の名に由来します。しかし、白髪はそれぞれの登場人物を描こうとしたわけではなく、作品が完成した後に、画面の印象に基づいて名前を当てはめたといいます。本作では、画面上に大きく口を開いた蛇のような形が浮かび上がったことから、この名を付けたそうです。

作品詳細

天暴星両頭蛇を見られる美術館

《天暴星両頭蛇》は、京都国立近代美術館に所蔵されています。同館では、本作と同じ「水滸伝シリーズ」の一作《天魁星呼保義》も収蔵しています。

ただし、美術館の所蔵作品は展覧会の開催に合わせて貸し出されることもあります。訪れる前に、展示情報を事前に確認しておくのがおすすめです。

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