【世界一ゆるい】現代アートの歩き方 » 現代美術を楽しむうえで知っておきたいアーティスト » ナムジュン・パイク

ナムジュン・パイク

ナムジュン・パイク
引用元:Visual Philosophy Lesson  http://vplesson.ref-lab.com/?eid=870998

ナムジュン・パイクは
どんな人?

ナムジュン・パイク(1932年~2006年)は、メディア・アートの先駆者として知られる韓国出身のアーティスト。複数台のテレビに映像を映したインスタレーションで知られており、「ビデオ・アートの父」とも呼ばれています。

生まれは、日本統治時代の京城(現在の韓国・ソウル)。朝鮮戦争の戦禍を逃れるため、1949年に香港へ、翌1950年には日本へ移住しました。東京大学では美学・美術史を専攻。卒業後はドイツへ渡り、ミュンヘン大学で音楽史を学びました。カールハインツ・シュトックハウゼンやジョン・ケージといった現代音楽家との出会いは、ナムジュン・パイクに大きな影響を与えています。

1960年代には、ジョージ・マチューナスとの交流から、前衛芸術運動「フルクサス」に参加。フルクサス・アーティストの中でも、ヨーゼフ・ボイスは終生の友でした。1963年に開催した初の個展では、13台のテレビを使ったインスタレーションを制作。その後もドイツ、アメリカなどで次々に作品を発表し、メディア・アートの開拓者として代表的なアーティストとなりました。

日本との関わりも深かったナムジュン・パイク。美術評論家の伊東順二には「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称されています。また、坂本龍一、オノ・ヨーコ、赤瀬川源平といったアーティストとも親交がありました。彼の作品をコレクションしているワタリウム美術館(東京)では、没後10年にあたる2006年に回顧展を開催しています。

ナムジュン・パイクの代表作

帽子がトレードマーク!ボイスへのオマージュ

ナムジュン・パイク「ボイス」

引用元:CINRA.NET  https://www.cinra.net/news/20160702-namjunepaik

ボイス
Beuys
発表年
1988年

ドイツの前衛芸術家、ヨーゼフ・ボイスとの親交が深かったナムジュン・パイク。前衛芸術運動「フルクサス」のアーティストとして出合った2人は、その後も共同制作をおこなうなど、生涯の友人でした。

この作品は、ヨーゼフ・ボイスの死後、ボイスへのオマージュとして制作された作品です。ボイスのトレードマークである帽子をかぶった姿がお茶目で、パイクのボイスに対する想いや、2人の深い友情が感じられて素敵ですね。

自然と機械とジョン・ケージの融合

ナムジュン・パイク「ケージの森/森の啓示」

引用元:ワタリウム美術館 https://www.greenwise.co.jp/topics/542/

ケージの森/森の啓示
発表年
1993年

木々の間に、いくつものテレビモニターが実のようについている作品。自然と機械という異質なものを融合させて、不思議な存在感を放っています。

ブラウン管のモニターから流れるのは、前衛作曲家であるジョン・ケージの映像。タイトルの『ケージの森』が「ジョン・ケージの森」だったとは、ナムジュン・パイクのユーモアや言葉遊びのセンスを感じます。

大量のモニターに圧倒されるインスタレーション

ナムジュン・パイク「インターネット・ドリーム」

引用元:美術手帖 https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/20881/pictures/1

インターネット・ドリーム
Internet Dream
発表年
1994年

50台以上のテレビモニターと複数のチャンネルが交錯する大型のインスタレーション。目の前で次々と変わる映像に圧倒されます。

こちらの作品は、インターネットが普及し始めた1990年代半ばに制作されました。情報をアートに変換させるためにパイクが生み出したメディア・アートが、インターネット時代を先取りしていたことを象徴するような作品です。

ナムジュン・パイクに関する
展示inJAPAN

ナムジュン・パイク展 2020年笑っているのは誰?+?=??

ナムジュン・パイク展
引用元:ワタリウム美術館 http://www.watarium.co.jp/exhibition/1608paik/index.html

ナムジュン・パイクの没後10年となる2016年に、東京のワタリウム美術館で開催された展覧会。ワタリウム美術館は、ナムジュン・パイクの作品を数多くコレクションしている美術館です。この展覧会では、インスタレーション、映像作品、ペインティングなど、230点にも及ぶ作品が前後半に分けて展示されました。ビデオ・アートの誕生や歩み、ヨーゼフ・ボイスとの共同作品に加え、未発表の原稿や映像なども紹介することで、ナムジュン・パイクの思想的背景や人物像にも迫るものとなりました。

ナムジュン・パイクについて
現代人の声を拾ってみた