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冥界への道標

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作品解説

草間彌生による《冥界への道標》は、無数の柔らかな突起物によって覆い尽くされた大規模な立体作品です。横幅7メートルを超える長大な画面には、男性器を連想させる突起がびっしりと並びんでいます。

草間彌生といえば水玉模様を思い浮かべる人も多いですが、こうした突起物もまた、彼女の代表的なモチーフのひとつ。反復される男性器は、草間自身が抱えていた恐怖や嫌悪感、強迫観念と深く結びついています。彼女はそうした内面的な不安や幻覚的イメージを、布を使った「ソフト・スカルプチュア」として繰り返し表現してきました。

《冥界への道標》では、同じ形が執拗に反復されることで、作品全体に独特の緊張感が漂っています。柔らかな素材で構成されているにもかかわらず、鑑賞者に迫ってくるような圧迫感があり、増殖し続ける生命体のようにも見えてきます。

作品詳細

作家紹介:草間彌生について

1929年、長野県松本市生まれ。幼少期から幻視や幻聴を体験しており、そのイメージをもとに、水玉や網目、反復する形態といった独自のモチーフを発展させていきました。

1957年に渡米し、ニューヨークを拠点に前衛芸術家として活動を展開。画面全体を網目で覆う「ネット・ペインティング」や、布製の突起物で家具や日用品を覆う「ソフト・スカルプチュア」を発表し、当時のアートシーンで大きな注目を集めました。

1960年代後半には、ハプニングや反戦パフォーマンス、ファッションショーなども積極的に行い、ポップ・アートやミニマル・アートとも交差しながら独自の表現を確立。1973年に帰国後も制作を続け、南瓜や花、水玉を用いた鮮やかな作品群によって世界的な人気を博しています。

冥界への道標を見られる美術館

《冥界への道標》は、東京国立近代美術館に所蔵されています。

東京国立近代美術館(MOMAT)は、皇居や北の丸公園に隣接する、日本で最初の国立美術館です。19世紀末から現代に至る日本の近現代美術を中心に、およそ14,000点におよぶ国内最大級のコレクションを所蔵しています。

館内では、日本画、洋画、版画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど幅広い作品が展示されており、所蔵作品展「MOMATコレクション」では、会期ごとに約200点の作品が入れ替え展示されています。展示替えが定期的に行われるため、《冥界への道標》が公開されているかどうかは、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。

また、美術資料の収集や研究活動にも力を入れており、美術専門図書館として多くの資料を一般公開しています。国内外の展覧会カタログや研究資料なども充実しており、日本の近現代美術研究の拠点としても知られています。

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