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No Nukes

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作品解説

「No Nukes」は、2022年に奈良美智が制作した陶芸作品です。奈良美智といえば少女を描いた絵画作品で知られていますが、本作は瓢箪(ひょうたん)のような形をした陶器の壺に絵付けを施した、立体作品となっています。

壺の表と裏には、それぞれ異なる表情の子どもの顔が描かれています。正面は目を見開いた緊張感のある表情、裏面は穏やかに目を閉じた安らかな表情となっており、ひとつの作品の中で対照的な感情が表現されています。髪の両側にはピースマークと「NO NUKES」の文字が描かれ、作品全体を通して平和への願いが込められています。

「NO NUKES」は、奈良美智が初期から繰り返し用いてきたメッセージのひとつです。奈良は戦後間もない日本で育ち、旧軍施設の跡地が身近に残る環境で幼少期を過ごしました。また、青年時代にはベトナム反戦運動やロックカルチャーの影響も受けており、それらの経験が現在の制作活動にもつながっています。

壺の上部には、ドイツ語で「私たちは新たなミレニアムの途上にある」という意味の文章も記されています。穏やかな造形と親しみやすい子どもの表情に、平和への願いや未来への希望を重ね合わせた作品といえるでしょう。

作品詳細

作家紹介:奈良美智について

奈良美智は、日本を代表する現代美術家です。鋭い目つきの少女や犬をモチーフにした絵画や立体作品で世界的な評価を受けています。愛知県立芸術大学大学院を修了後、約12年間ドイツで制作活動を行いました。異国での孤独な生活や、自分自身と向き合った経験は、その後の作品に大きな影響を与えています。作品に登場する少女は、自身の内面を映した存在とも語られており、怒りや孤独だけでなく、希望や生きる力も表現されています。

帰国後は絵画だけでなく、陶芸や彫刻、インスタレーションなど表現の幅を広げ、国内外で数多くの展覧会を開催しています。「No Nukes」のように、平和や社会への思いをストレートなメッセージとして作品に取り入れることも、奈良美智の大きな特徴です。

No Nukesを見られる美術館

「No Nukes」は、東京・渋谷にあるUESHIMA MUSEUMで鑑賞できます。2024年に開館した現代アートミュージアムで、事業家・投資家の植島幹九郎氏が設立した「UESHIMA MUSEUM COLLECTION」を公開する私設美術館です。

館内には奈良美智をはじめ、草間彌生、村上隆、塩田千春、ゲルハルト・リヒター、アンディ・ウォーホル、オラファー・エリアソンなど、国内外を代表する現代アーティストの作品が展示されています。「同時代性」をテーマに、著名作家だけでなく若手アーティストの作品も積極的に紹介しています。

美術館は渋谷教育学園の敷地内にあり、かつてブリティッシュ・スクール・イン・東京として使われていた建物をリノベーションして誕生しました。地下1階から地上5階までの展示空間には、旧校舎の体育館や医務室、校長室などの構造を生かした個性的な展示室が広がり、作品ごとに異なる鑑賞体験を楽しめるでしょう。

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