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天雄星 豹子頭

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作品解説

白髪が少年時代から愛読していた中国の古典小説『水滸伝』にちなみ、108人の豪傑の名を冠した「水滸伝豪傑シリーズ」の一作です。淡いキャンバス地の上で、赤・濃紺・オリーブ色の絵具が中央で絡み合い、右から左へとうねるように広がっています。

白髪は、天井から吊るしたロープにつかまり、床に広げたキャンバスの上を素足で滑走しながら描く「フット・ペインティング」を確立した画家です。筆ではなく身体そのものを使って描くため、絵具は流れ、飛び散り、ときには厚く盛り上がります。横幅が2.7メートルを超える本作では、その動きが一段とダイナミックに表れており、絡み合う色彩の帯が画面を横切る構成からも、フット・ペインティングならではの勢いが伝わります。

画面の右端には「ミッシェル・タピエに捧ぐ」の文字が書き込まれています。タピエは、1950年代後半に「具体美術協会」を欧米に紹介したフランスの美術批評家です。白髪や吉原治良らの作品を国際的な舞台へ紹介した人物として知られています。本作には、そんなタピエへの献辞が白髪自身の手で書き込まれています。

作品詳細

作家紹介:白髪一雄について

白髪一雄(しらが かずお)は1924年、兵庫県尼崎市に生まれた画家です。京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で日本画を学びましたが、戦後は洋画に転向。1952年に村上三郎や金山明らと「0会」を結成し、1955年には吉原治良が率いる前衛グループ「具体美術協会」に参加しました。

白髪の代表的な手法である「フット・ペインティング」は、天井から吊るしたロープにつかまり、足で絵具を広げながら描く制作方法です。画面の上を滑るように動きながら描くことで、絵具の動きだけでなく、制作時の身体の運動そのものも作品に刻み込まれています。

天雄星 豹子頭を見られる美術館

《天雄星 豹子頭》は、大阪市北区中之島にある国立国際美術館に所蔵されています。1977年に大阪府吹田市の万博記念公園で開館し、2004年に中之島の現在地へ移転しました。建築家シーザー・ペリが設計を手がけ、展示室や収蔵庫など主要部分が地下に収められている点が特徴です。

コレクションは第二次世界大戦後の国内外の現代美術を中心に、およそ8,000点を収蔵しています。なかでも「具体美術協会」の作品を多く所蔵しており、本作は2000年度に東京のギャルリー・ところから購入され、同館の所蔵となりました。

所蔵作品はコレクション展にて、会期ごとに入れ替えて公開されます。《天雄星 豹子頭》が展示されているかは時期によって異なるため、作品を目当てに訪れる場合は、事前に公式サイトで展示情報を確認しておきましょう。

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