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白髪一雄《繁茂》は、1973年に制作された油彩作品です。162.0×162.0cmの正方形キャンバスには、黒や白、灰色の絵具が幅広い帯のように重なり、大きな弧を描きながら交差しています。モノクロームを基調とした画面に、絵具のかすれや厚みが表れ、力強い動きを生み出しています。
白髪一雄は、天井から吊るしたロープにつかまり、床に広げたキャンバスの上を素足で動きながら描く「フット・ペインティング」で知られる画家です。また、1960年代半ばからはスキージと呼ばれるヘラ状の道具も制作に取り入れ、絵具を押し広げる表現を探求しました。《繁茂》が制作された1970年代も、白髪が絵具の動きや質感を追求していた時期にあたります。
白髪一雄(しらが かずお)は、1924年に兵庫県尼崎市で生まれ、2008年に亡くなった画家です。京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で日本画を学んだのち、洋画へと転向しました。1952年には村上三郎や金山明らと「0会」を結成し、1955年には吉原治良が率いる前衛美術グループ「具体美術協会」に参加しました。
白髪は、足で絵具を操る「フット・ペインティング」をはじめ、身体や道具を使った独自の絵画表現を追求しました。1971年には比叡山延暦寺で得度し、以降は仏教や密教への関心も作品に反映させていきます。身体の動きや絵具の質感を探り続けた白髪の作品は、制作時期によってさまざまな表情を見せます。
《繁茂》を所蔵しているのは、大阪市北区中之島にある国立国際美術館です。同館は1977年に大阪府吹田市の万博記念公園で開館し、2004年に現在の中之島へ移転しました。建築家シーザー・ペリが設計した建物は、展示室や収蔵庫などを地下に配置した構造が特徴です。
国立国際美術館は、第二次世界大戦後の国内外の現代美術を中心に収集・展示しています。白髪一雄をはじめ、戦後日本の前衛美術を代表する「具体美術協会」の作家たちの作品も所蔵しています。《繁茂》は、大阪の実業家・大橋嘉一氏のコレクションに含まれていた作品で、1978年に同館へ寄贈されました。
所蔵作品はコレクション展などで公開されますが、すべての作品が常時展示されているわけではありません。《繁茂》を実際に鑑賞したい場合は、訪問前に国立国際美術館の公式サイトで展覧会情報を確認しましょう。